全国ショップ激戦図

<全国ショップ激戦図>83.東京都足立区(下)

2005/07/04 18:45

週刊BCN 2005年07月04日vol.1095掲載

 東京都足立区では、ヤマダ電機が家電量販店「テックランド足立本店」と、東京都内で同社初となるデジタル機器専門店「Digital(デジタル)21足立店」を構えており、幅広い年齢層を顧客として獲得している。しかし、対抗する他の家電量販店も、あの手この手を使ってマーケットシェアトップのヤマダ電機をキャッチアップしようとしている。

複合施設や駅近くでの出店で対抗

 ギガスケーズデンキが足立区梅田に出店する「ケーズデンキ梅田パワフル館」は、ショッピングモール「ショッピングタウンカリブ」内に店舗がある。同ショッピングモールには、スーパー「食品宝島」や100円ショップ「ザ・ダイソー」、DVDソフト・音楽CDのレンタルショップ「ツタヤ」、飲食店などがある。平日には主婦が食材の買い物でスーパーを訪れ、休日になると飲食店で食事をしようと家族連れが訪れるなど、さまざまな年齢層がショッピングモールに足を向ける。そして、食事など別の目的で訪れた買い物客が、ついでに梅田パワフル館に来店するケースが増えた。

 同店には、白物家電や照明器具、電池など消耗品を多く揃えているが、携帯電話やデジタルカメラ、パソコン、液晶テレビ、DVDレコーダーなど人気のあるデジタル機器を扱っていない。そこで、これらデジタル機器の購入層については、車で15分程度の場所にある屋久島通り沿いに出店する旗艦店「ケーズデンキ足立本店」へ振り向けている。デジタル機器を扱っていなくても、梅田パワフル館は「ケーズデンキ」の知名度を高めるための重要なショップとなっている。

 コジマは、足立区の旗艦店である「足立店」こそ東武伊勢崎線の谷塚駅から徒歩10-15分と若干遠いものの、「NEW西新井店」が東武伊勢崎線の西新井駅から5分程度、「NEW加平店」が千代田線の北綾瀬駅から徒歩5分以内と、駅から徒歩で行ける圏内に出店している。駅近くのショップは、近隣の住民が来店することに加え、他の地区に住む学生や会社員が通学や通勤、帰宅途中にちょっと途中下車してショップに立ち寄れる。さらに、近隣駅の住民は、休日に電車でショップに来店する。しかも、郊外量販店が得意とする大型駐車場も用意してあり、車でも電車でも便利なため、幅広い地域から来店者を集めている。

 足立区では、各家電量販店がドミナント(高密度多店舗展開)戦略として旗艦店を出店する。その一方で“補完店”となるショップで差別化を図っている。東京都のなかでも比較的人口が多い地域であり、今後もシェア争いが激しくなりそうだ。(佐相彰彦)
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