石井克美のデジタル家電ナビ

<石井克美のデジタル家電ナビ>13.ボーナス商戦の注目は液晶テレビ

2005/07/04 16:51

週刊BCN 2005年07月04日vol.1095掲載

 薄型テレビの低価格化が顕著だ。26型なら10万台半ば、32型で20万円台に迫る勢いの製品もあり、「普及に弾みがつく」といわれたインチ1万円の壁はとうに取り払われ、ついに売り上げもブラウン管テレビを追い抜いたとの報道もあった。

 そうしたなか、最も注目したいのが26型、32型といった製品だ。プラズマやリアプロジェクションテレビを併売するメーカーも「32型までは液晶テレビ」と位置付けているため、競合が多い。競合が林立することによって、バリエーション化が顕著になってきた。

 以前、大型液晶テレビといえば差別化は「デジタルチューナーの有無」、「パネルがハイビジョン対応か否か」といった程度だったが、この2つは当たり前となり、差別化要素がほかに生まれてきたからだ。

 デジタル放送対応モデルでバリエーション展開をしている大手メーカー。各メーカーとも、画質重視を共通項にしながら、下位、上位機種を付加機能で差別化を図るといった傾向にある。例えば、本体内にデジタル放送を録画できるハードディスクドライブ(HDD)を内蔵したり、拡張性を考え、外部機器と連動させるための入出力端子群を備えるといった具合だ。

 こうした装備は使用環境を考えながら選択する上での重要なポイントとなってくるはずだ。何が必要で、何が必要でないかを、しっかり見極めて製品を選択する必要が出てきたといえる。

 例えば、デジタルチューナー内蔵のHDD+DVDレコーダーが昨今次々と市場投入されている。そこで注目したいHDMI端子。レコーダーやプレーヤー側の対応が始まったばかりだから必須とまではいえないが、セキュアにデータ転送が可能なのだから、今後必要性が高まるのは間違いない。

 HDMI端子は、パソコンでデジタル放送をストリーム録画し、液晶テレビでハイビジョン再生したいという人には必須になってくる。パソコンモニタの代替としてではなく、パソコンを利用して映像再生を考慮している人はHDMI端子の有無は決して無視できないはずだ。

 夏ボーナスで買う場合、確かにインチあたりの価格がこなれている22-23型クラスの方がお買い得感があるが、このサイズになると機能面での妥協が多く見られるようになり、購入には割り切りが必要。割安感があり、また画質や機能面まで考慮して液晶テレビを購入するとなると、現在は機能充足が伝えられる26-32型クラスが最適ではないだろうか。
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