秋葉原物語

<秋葉原物語>[第3部 ムーブメント]33.日本AMD、デモイベントを開催

2005/06/27 16:51

週刊BCN 2005年06月27日vol.1094掲載

 “電気街の名物”の1つとして挙げられるのはイベントだ。家電量販店やパソコン専門店では、週末になると客寄せのためにタイムセールやキャンペーン、店頭デモなどを実施して集客に力を入れている。そんななか、米CPUメーカーの日本法人、日本AMDがユーザーの足を店頭に運ばせるための策を講じた。

 同社は6月18日、デスクトップ向けマルチコア・プロセッサ「AMDアスロン64 X2デュアルコア・プロセッサ」の発売にともない、秋葉原電気街でイベントを開催した。協賛ショップは、「ドスパラ秋葉原本店」、「カクタソフマップ」、「TSUKUMO eX.」、「フェイス」の4店舗。

 ドスパラ秋葉原本店の斜め向かいにあるカフェテリア「Linux Cafe di PRONTO秋葉原店」を手始めにイベントが行われ、このほど日本法人トップに就任したばかりのディビッドM.ユーゼ社長のスピーチやデュアルコアCPUのデモ、じゃんけん大会などが行われた。

 イベント開催時には電気街に多くの来場者が集まった。日本AMDが社長を登場させてまでショップでの店頭デモを開催したのは初めてのこと。ユーゼ社長は、「ユーザーと直接コミュニケーションを図りたいためにイベントに参加した」と理由を語る。

 最近では、自作パソコン市場が縮小傾向にあるといわれ、パーツ専門店の店頭販売は厳しい状況を強いられている。数年前までは、来店者とショップのスタッフとのコミュニティや顧客同士のコミュニティが形成されていた。しかし、インターネットショップというウェブ直販ビジネスの発展とともに、店頭に足を運ばなくなるユーザーが増えているのが現実だ。

 ユーゼ社長は、「eビジネスも重要だが、フェイス・ツー・フェイスのビジネスが自分のスタイル」とアピール。ユーゼ社長自身、学生時代はショップのスタッフとして働いた時もあった。そのため、「“楽しくなければ、やりがいがない”というショップのスタッフの気持ちは理解している。こうした楽しいイベントをメーカー側から主催する必要がある」と訴える。

 秋葉原電気街は、「16年前に訪れ、何とエキサイティングな街だろうと感じた」のが第一印象という。今でも、「生き生きしている」と実感している。(佐相彰彦)
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