店頭市場ピックアップ

DVD・HDDレコーダーの販売動向

2005/06/27 16:51

週刊BCN 2005年06月27日vol.1094掲載

松下がトップを獲得

白熱するシェア争い

 今年5月のDVD・HDDレコーダーの店頭販売は、松下電器産業が21.9%のシェアで首位を獲得した。4月から5月にかけて夏商戦向けに発売した「DIGA(ディーガ)」シリーズがシェア拡大に寄与した。

 同社は、4月から「DIGA」シリーズ5機種を順次発売。DVD・HDDレコーダーによるテレビ番組の録画操作が苦手な初心者を対象に、電源が切れている状態からでも1秒でテレビ番組ガイドを表示する機能を追加したほか、「くるくるリモコン」などを採用した。

 松下電器では、「DVD・HDDレコーダーの需要拡大は昨年夏のアテネオリンピックが口火を切ったわけだが、あくまでもオリンピックはきっかけに過ぎない」(牛丸俊三・マーケティング本部長)とし、昨年冬商戦からラインアップを増やしてきた。今年4月以降に発売した製品は、急激に広がっているDVD・HDDレコーダー需要の裾野がさらに広がるとの考えから、新規顧客を開拓するために簡単操作を追求した。

 電子情報技術産業協会(JEITA)の調べによれば、今年4月の国内DVDレコーダーの出荷実績は28万1000台(前年同月比20.6%増)で、そのうちHDD内蔵モデルが23万9000台(同51.5%増)と成長を続けている。家電量販店でも、1か月平均の販売台数が前年同月の3倍以上を達成しているショップもあり、依然として売れ筋商品に位置付けられている。

 しかも、世帯普及率はまだ20%未満といわれており、まだまだ需要が眠っている。そのため、各メーカーとも市場でのシェアを高めようと躍起になっており、各社間の争いがヒートアップ。昨年12月から今年5月までのBCNランキングをみても、松下電器をはじめ、ソニーや東芝が入れ替わり首位になっている。しかも、3位以下でもシャープや三菱電機、パイオニアなどが虎視眈々とトップの座を狙っており、シェア争いに拍車がかかっている。
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