全国ショップ激戦図
<全国ショップ激戦図>81.東京都足立区(上)
2005/06/20 18:45
週刊BCN 2005年06月20日vol.1093掲載
大手が複数出店を展開

ほかにも、ギガスケーズデンキが環7通りと交差する屋久島通り沿いに東京都のフラッグシップショップ「ケーズデンキ足立店」、東武伊勢崎線梅島駅近くに「梅田パワフル館」を出店している。
足立区のように、半径5キロメートル以内に郊外型の大手家電量販店が密集し、しかも各社ともドミナント(高密度多店舗展開)戦略を採用しているケースは少ない。しかも、ヤマダ電機はデジタル21足立店で、同社にとって初めての試みとなる、パソコンおよび関連機器を中心とした店づくりに取り組んでいる。ギガスケーズデンキは、大型店舗の足立本店を中心に、小型店の梅田パワフル館を構えるという、本拠地である茨城県と同様の戦略を採用した。それだけでなく、梅田パワフル館は、休日になると多くの家族で混雑する複合商業モール「ショッピングタウンカリブ」内にあり、ヤマダ電機やコジマとの差別化策を明確に打ち出している。
足立区は、人口が62万人超と東京都のなかでは5番目に大きい。加えて、JR常磐線や東武伊勢崎線、地下鉄日比谷線などが集まる北千住駅から埼玉寄りの地区では、最寄りの量販店が自宅から遠いなどの理由から休日にはマイカーを利用して買い物に出かけるケースもあるようだ。しかも、国道4号線を使って埼玉県の八潮市や草加市などからも買物客が訪れている。車による高集客地区である点からも、大手家電量販店が揃って店を構えている激戦区というわけだ。
一方、店舗が過剰になる〝オーバーストア化〟になりつつあるのも事実。顧客の来店を促すため、各量販店とも週末になると決まってチラシを配布しており、その内容は「他店よりも高い場合は安くします」など低価格戦略を前面に押し出したものが多い。週末を待たずに、チラシ配布の段階で早くも火花を散らす戦いを繰り広げている。(佐相彰彦)
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