石井克美のデジタル家電ナビ

<石井克美のデジタル家電ナビ>11.キーワードは「リビング」(1)

2005/06/20 16:51

週刊BCN 2005年06月20日vol.1093掲載

 2004年度の国内パソコン個人市場は537万5000台と前年度比1.7%減。AV(音響・映像)機能を重視した製品の投入で04年末以降は持ち直したが、アテネ五輪でデジタル家電に需要が流れた上期の不振を補い切れなかった。そうしたなか、「リビングパソコン」が大きなカギを握るといわれており、今年の夏商戦では、大画面テレビを組み合わせたパソコンを各社が投入している。

 先陣を切ったシャープは6月9日、液晶テレビ、ハードディスクドライブ(HDD)内蔵DVDレコーダー、デスクトップパソコンの3つを融合させた「PC-TX 32J」を発表。32インチの液晶テレビをディスプレイとし、本体はAV機器風デザインのAVセンターパソコン。CPUはインテルセレロンD335、512MバイトのDDR-SDRAM、250ギガバイトのHDD、光学ドライブに2層メディア対応DVDスーパーマルチドライブを搭載する。

 テレビ機能はパソコン側にPCI内蔵タイプのテレビチューナーを備えるほか、通常の液晶テレビと同等機能を持つテレビチューナー内蔵ディスプレイで単独でのテレビ視聴が可能。パソコン側のテレビ機能も高画質化回路をリファインし、視聴だけでなく録画再生も鮮やかに表示させるデュアルファイン・テクノロジを採用した。

 付属の32インチ液晶テレビは、応答速度12ms、輝度500カンデラ/平方メートル、コントラスト比800:1の通称「亀山パネル」を使用。視聴環境に応じて最適な明るさ調整を行う「明るさセンサー」、テレビやDVD、映画など映像ソースの特性に応じて画質を調整する「画質プリセットモード」ほか、テレビ側にも3次元Y/C分離、ノイズ&ゴーストリダクションなどの高画質化回路が備えられている。

 リモコン機能も従来のAV機能付きパソコンモデルより強化され、EPG(電子番組ガイド)や録画リストへのダイレクトボタンを装備し、AV機器感覚でのシームレスな操作が行えるのが特徴だ。

 新製品は、昨年9月に発売した初のAVセンターパソコンに続く第2弾。同社では「第1弾製品のユーザーの7割がリビングで使用しており、半数以上が家族と一緒に使っている」としており、リビングパソコンというコンセプトの浸透に手応えを感じている。

 第2弾として投入する新製品では、家族でテレビを見ながらインターネットも同時に楽しむといった使い方を想定。テレビとネット画面を同時に表示できるピクチャー・イン・ピクチャー機能や、静止画向けの高画質化機能も搭載した。
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