石井克美のデジタル家電ナビ

<石井克美のデジタル家電ナビ>10.次世代ゲーム機の発表相次ぐ

2005/06/13 16:51

週刊BCN 2005年06月13日vol.1092掲載

 5月16日から米ロサンゼルス(カリフォルニア州)で開催された「エレクトロニクス・エンタテインメント・エキスポ(E3)」。そこで最も注目されたのは「新しい玩具の登場」だ。そうしたなか、先進コンピューティング、グラフィックス、マルチメディア機能を引っ提げて家庭の居間への進出を狙うソニー、マイクロソフト、任天堂の3社は、E3でそれぞれの次世代ゲーム機を披露した(正確にはマイクロソフトはE3開幕の1週間前にXboxの次世代版「Xbox360」の詳細を発表)。

 Xbox360は白とシルバーを配し、くぼんだ形状。IBMのマイクロプロセッサ3基を搭載し、パワフルなコンピューティングと先進グラフィックスを提供する。脱着可能な20ギガバイトのハードディスクドライブ(HDD)と、筐体のフロントパネルをカスタマイズできる取り外し可能なフェイスプレートを装備する。

 一方のソニーだが、ビデオゲーム機のトップセラーであるプレイステーションの第3世代版(PS3)には、IBM、東芝と共同開発したチップ「セル」が採用され、ソニーの次世代版大容量DVDフォーマット「ブルーレイ」がサポートされる。

 これに対し任天堂は、「ゲームキューブ」の後継機(レボリューション=開発コード名)をエンタテインメントハブとしてよりも、純粋なゲーム機として位置付ける考えだ。

 ここには、マイクロソフトであれば、「Xboxライブ!」との連携をさらに高め、よりエンタテインメントの強化を行うこと、ソニーなら先進の技術力をもってのブランド力の強化、任天堂は20年間に蓄積されたゲームソフトをオンラインでダウンロードできるといったゲーム機のそのものの楽しみ方など各社の思惑が反映されている。

 共通しているのはネットワーク機能の強化だ。どのゲーム機にもイーサネット端子装備はもちろんのこと、無線LANに対応する装備も考えられている。こうした背景には、オンラインゲームの普及と昨年発売された携帯ゲーム機にも無線LANが採用されていることも大きく影響している。

 気になるソフトウェアだが、第3世代機の優れた能力をフル活用できるものが続々と投入されてくる見込み。なお、発売時期と価格だが、マイクロソフトはXbox360の発売時期は、米国ではクリスマス商戦に入る11月末、これに続いて日本と欧州で販売。価格は3万円台になると一部で発表している。PS3とレボリューションの発売は2006年との見方が強い。
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