全国ショップ激戦図

<全国ショップ激戦図>78.埼玉県越谷市(上)

2005/05/30 18:45

週刊BCN 2005年05月30日vol.1090掲載

 埼玉県越谷市では、国道4号線沿線で大手家電量販店が激しい販売合戦を繰り広げている。上野など東京方面に続く大動脈である国道4号線があり東京のベッドタウンとして人口が増えている越谷市をバックに、埼玉県のマーケットシェアを拡大する1つの策として、家電量販店各社も越谷市での販売競争を重視している。

国道4号線沿線に出店が集中

 国道4号線沿いでは、コジマが大型店「NEW越谷店」を、大阪を本拠地とする上新電機が埼玉県のフラッグシップ店として「こしがや店」を出店。また、千間台(せんげんだい)方面では、ギガスケーズデンキが小規模ではあるものの、玩具量販店「トイザらス」との複合店舗で「越谷パワフル館」を構えており、子供のいるファミリー層を中心に来店者増に力を注いでいる。

 近隣のさいたま市岩槻区では、国道16号線沿いにヤマダ電機が大型店「テックランド岩槻店」をオープンしており、岩槻区のユーザーを確保。さらに低価格路線で越谷市民にもアピールし、顧客獲得を図っている。これに対抗するため、コジマがテックランド岩槻店の向かい側に小型店の「岩槻店」を出店してドミナント(高密度多店舗展開)戦略で顧客獲得策を講じているほか、上新電機は高額の大型家電を複数アイテム購入することで競合店よりも安くなるという大阪・日本橋電気街で培ったノウハウでユーザーの値頃感に対応するなど、あの手この手で売り上げアップに取り組んでいる。

 最近は、ビックカメラがJR大宮駅前に埼玉県初進出となる「大宮西口そごう店」をオープンしたように、駅前出店型のカメラ量販店が埼玉県の各主要都市に進出する可能性も出てきそうだ。

 駅前店の利点は自動車でなくても気軽に立ち寄れること。ビジネスマンが帰宅途中に消耗品を購入したり、学生が音楽CDを購入するなど手軽に利用できる。これが、テレビなど大型商材の顧客に発展することもある。

 逆に郊外型の家電量販店にとっては、カメラ量販の駅前店がある主要都市でマーケットシェアの拡大を図るのが一段と難しい状況になる局面もありそうだ。

 埼玉県のシェアを拡大するためには、駅前店が出店していない地域でシェアを高めることが戦略の1つ。越谷市の人口は約121万人。埼玉県のなかで上位5市に入る。越谷市の近隣がさいたま市である点でも、多くのユーザーを獲得するには適している地域だろう。(佐相彰彦)
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