全国ショップ激戦図

<全国ショップ激戦図>77.栃木県宇都宮市(下)

2005/05/23 18:45

週刊BCN 2005年05月23日vol.1089掲載

 栃木県宇都宮市のような地方都市では、住民がショッピングに出かける際に自動車を利用することが多い。大型駐車場を備える店舗は、家電量販店に限らず、スーパーや百貨店など多くの買物客が訪れる。

ショッピングモールが地域の核に

 北関東自動車道の宇都宮上三川インターチェンジ近くの大型複合商業施設「FKDショッピングモール宇都宮インターパーク店」(宇都宮市中島町)には、5000台が収容できる宇都宮地区最大の大型駐車場があり、週末になると多くの来店者で混雑する。

 インターパーク店は地上1-2階のフロア構成。アパレルショップや化粧品、音楽CDショップなど200店以上が店を構える。2階部分にベスト電器のフランチャイズチェーン「インターパーク店」が出店。このフランチャイズチェーン店は床面積50平方メートル未満と、ほかの競合店に比べて小規模ながら、週末には多くの来店客を集めている。

 売り場面積が小さいため、電球や電池など消耗品のほか、理美容品を中心とするなど商品アイテムは限定されている。しかし、来店客が多いのは、同じフロアに玩具やベビー洋品ショップが店を構えていることで幼児を連れた家族の来店が多いことと、音楽CDショップがテナント出店していることで10代後半から20代前半の若年層も立ち寄るためだ。小さな子供のおもちゃを買いに来た家族連れが、同じフロアにあるベスト電器で電球などの消耗品を購入したり、音楽CDを購入する若者が電池を購入したりする。エアコンや冷蔵庫など大型の白物家電やパソコン、プリンタなどの情報関連機器などは扱っていない。家族連れなどをターゲットに消耗品や理美容品の販売で十分に利益を確保しているようだ。

 FKDショッピングモール宇都宮インターパーク店は、JR宇都宮駅からも車で30分以内と近い。駅からは無料のシャトルバスを運行しており、宇都宮駅からFKDに買い物に出かける買物客も多い。しかも、高速道路のインターチェンジ近くという点で、ドライブのついでに立ち寄る場合もある。大型駐車場を完備しているため、道路沿いの家電量販店などで問題となっている〝駐車場渋滞〟も起きない。ユーザーは空いている時間など考えなくても、気軽に来店できるというわけだ。

 インターパーク店の集客が高いことから、周辺に新規出店する家電量販店も増えており、家電量販の競争が激しくなっている。このショッピングモールと道路を挟んでギガスケーズデンキも大型店舗の「インターパーク店」を出店している。(佐相彰彦)
  • 1