全国ショップ激戦図

<全国ショップ激戦図>75.栃木県宇都宮市(上)

2005/05/02 18:45

週刊BCN 2005年05月02日vol.1087掲載

 栃木県宇都宮市にヨドバシカメラの「マルチメディア宇都宮」が今年4月22日にオープンした。ヨドバシが北関東地区に進出するのはこれが初めてだ。

ヨドバシ、北関東地区に初進出

 同店は、JR宇都宮駅前の大型商業施設「ララスクエア宇都宮」の6-7階にテナント出店。売り場面積が7300平方メートルと競合を押しのけ北関東地区で最大級のスペースを確保したほか、周辺地域を含め900台の駐車場を備える。駅前立地の好条件と大型駐車場の完備で宇都宮地区の競合店に対抗する。

 宇都宮市を本拠地とするコジマをはじめ、ヤマダ電機やギガスケーズデンキ、ベスト電器など大手量販店が郊外で店を構えている激戦区。これまで大阪・梅田や福岡・博多などのオープン店長として、さまざまな店舗の立ち上げを経験してきた阿美祥之・取締役販売本部長は、「宇都宮は、手強い競合店が多い地区。しかし、最近では各地域で家電量販店が相次ぎ出店し、あちこちで競争が激しくなっており、宇都宮でマーケットシェアを獲得するのが特別に難しいというわけではない」とし、「駅前に出店する強みと駐車場の収容台数の多さという強みを生かす」ことで来店者を増やしていきたい意向。しかも、「マルチメディア宇都宮オープンのためにポイントカードの新規加入者を募ったところ、オープン前ですでに1万5000人が加入した」と、ユーザーの増加に自信をみせている。

 アイテム数は55万点。6階部分では、銀塩カメラやデジタルカメラといったカメラ量販店の得意とする商材を揃えたほか、パソコンおよび関連機器、携帯電話などの情報通信関連機器、腕時計、ブランド品のコーナーを設け、若者や会社員など男女を問わずに来店を煽る。7階部分では、薄型テレビやDVDレコーダーなどデジタルAV(音響・映像)関連機器をはじめ、洗濯機や冷蔵庫、調理家電、テレビゲーム関連機器、玩具など家族を対象としたフロアに仕上げた。

 なかでも、カメラ関連のアクセサリー品、パソコンの周辺機器とサプライ品、組立パソコン用パーツ、電池や電球といった消耗品、DVDメディアやフィルムなどの品揃えを充実させた。加藤康志店長は、「競合店は、デジカメやパソコンの本体を拡販することに力を入れている。その差別化策として、気軽に購入できる商品に比重を置いた」と、リピーター率を高める戦略を語る。

 1日平均の来店者数は、「平日で1万人、休日で2-3万人」(阿美取締役)を想定。初年度の売上高は70億円を見込んでいる。(佐相彰彦)
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