店頭市場ピックアップ

携帯オーディオプレーヤーの販売動向

2005/04/25 16:51

週刊BCN 2005年04月25日vol.1086掲載

アップル、一気にシェア拡大

機種の多様化が奏功

 携帯オーディオプレーヤー市場で、アップルコンピュータの勢いが止まらない。

 アップルは携帯オーディオプレーヤーブランド「iPod(アイポッド)」に、フラッシュメモリタイプや、デジタル写真の保存・閲覧機能も付加したモデルを投入するなど、昨年後半から多様なラインアップを揃えており、これがシェア拡大に大きく寄与している。

 図は、BCNランキングの月次データをもとに、携帯オーディオプレーヤー市場の上位5社の販売台数シェア推移を表した。徐々にシェアを落としていたアップルだが、2005年に入ってからシェアは再び上昇。直近3月のデータでは、台数シェア45.71%を確保し、シェア2位のリオ・ジャパンに約35ポイントの差をつけた。

 アップルは昨年11月上旬に、音楽データだけでなく、デジタル写真の保存・閲覧も可能な「iPod Photo(フォト)」を投入。その後、05年1月12日にはフラッシュメモリタイプの「iPod shuffle(シャッフル)」を発売した。さらに、2月23日には、「iPod Photo」と「iPod mini(ミニ)」のラインアップを一新。ハードディスク(HDD)の容量タイプ別で製品数を増やしたほか、従来モデルよりも価格を引き下げた。多様なモデルを投入したことと、現行モデルの価格を下げたことで、他社を一気に突き放している。

 直近の週次データ(4月4-10日)の、製品別販売台数シェアでは上位10機種すべてがアップル製品となっている。メモリタイプ、HDDタイプ、写真保存・閲覧機能搭載タイプのすべてが10位内にランクインしている。

 昨年後半から緩やかにシェアを落としていたアップルが、息を吹き返しただけでなく独り勝ちの様相を呈してきた携帯オーディオプレーヤー市場。高成長が続く市場で、アップルの強さがさらに鮮明になっている。
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