石井克美のデジタル家電ナビ

<石井克美のデジタル家電ナビ>4.携帯電話に音楽配信

2005/04/25 16:51

週刊BCN 2005年04月25日vol.1086掲載

 スタンドアロンのオーディオ機器ではなく、ネットワーク機器で音楽を楽しむ新しいスタイルが浸透してきている。特に10代、20代の若い層を中心に、携帯電話で音楽を聴くといった、専用のオーディオ機器以外で音楽を楽しむ傾向がこのところ高まっている。実際、各通信事業者からFMラジオ搭載、音楽再生機能(音声圧縮機能対応)などを搭載したモデルも登場し、電車内などで利用している風景もよく目にする。

 音楽配信サービスが充実している海外では、さらに一歩進んだモデルが今年市場投入される。先陣を切るのはウォークマンの名を冠した「W800」。ソニー・エリクソン・モバイルコミュニケーションズが“ソニー”の携帯音楽プレーヤーの名を冠して「ウォークマンフォン」として2005年第3四半期に登場させる予定。

 ストレートボディの側面や待受画面にはウォークマンのロゴマークが配されている。900/1800/1900MHzのトライバンド対応で、中国市場向けモデルも用意されているという。

 ウォークマンの名称通り、音楽再生機能を搭載しており、AAC形式とMP3形式の音楽データに対応。ステレオヘッドホンをつないで音楽を楽しんでいる間も、電話がかかってくればヘッドホンから着信音が聞こえるようになっており、通話中は音楽再生を一時中断する。外部メモリカードとして、最大1GBのメモリースティックプロデュオに対応。現在のところ、音楽データはパソコンを経由して転送するが、将来はソニーのオンライン音楽ストア「コネクト」と協力して音楽ダウンロードサービスを提供する予定だ。

 また、かねてから話題となっていた米モトローラのiTunes携帯電話も近々発表される。このモデルでは、フル機能のついたiTunesのJava版が搭載され、iTunesライブラリとの同期がとれ、(限定された容量ではあるが)楽曲を収録できるという。

 主要各社がほぼ出揃った感のある音楽配信サービス。パソコンでは認知度を確立した。さらに携帯電話でも自在に利用できれば、一気に市場拡大といったことも十分に考えられる。電子メールやカメラ機能は当たり前となり、現在ではウェブ閲覧とパソコン並みの機能も拡充した携帯電話。さらに音楽配信サービスへの対応が行われれば、ヘッドフォンステレオに慣れた世代への訴求力は高まっていくだろう。

 ただし、こうした動きも携帯電話のデジタルテレビ放送対応同様、コンテンツの充実が後押しするものではあるが…。
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