石井克美のデジタル家電ナビ
<石井克美のデジタル家電ナビ>3.携帯電話に新しい動き(下)
2005/04/18 16:51
週刊BCN 2005年04月18日vol.1085掲載
イー・アクセスは06年の番号ポータビリティ制度(契約する事業者を変更しても、同一の電話番号を利用できる制度)導入に合わせて移動体電話事業に参入する計画。全国の主要都市からサービスを始め、数年内に人口カバー率95%以上を目指す。パソコンからインターネットに接続した場合でも、データ通信料を定額とするサービスを検討しており、音声通話についても現在の事業者の半分を目指すとしている。通信速度が大幅にアップすることで、快適なマルチメディア環境が実現され、よりマルチタスクなツールとして移動体電話が進化していくことは間違いない。また、安価な料金体系も見込まれ、エンドユーザーには朗報といえるだろう。
移動体電話事業への参入を目指し、現在、同社ではルーセント・テクノロジーおよび富士通と共同で1.7GHz帯での実証実験を行うことで合意したことも発表。実験免許が下り次第、共同で実験を行う計画だという。具体的には1.7GHz帯の電波伝搬試験や、HSDPA方式などの先端技術の確認試験などを行う。ルーセント・テクノロジーはHSDPA対応の基地局装置や3G移動通信交換局、ネットワークゲートウェイなどを提供、富士通は基地局やコアネットワーク、試験用端末やツールを提供するほか、システムの設計、構築、運用など実験にかかわる業務のサポートを担当する。こうした技術を利用して通話端末のほか、デジタル家電に搭載可能な通信モジュールの提供も予定している。また、通信インフラを別の企業に貸し出すMVNO(モバイルバーチャルネットワークオペレータ)サービスも計画中だ。同社はADSLでも通信回線のみを提供しており、同様のサービスを移動体電話でも行う考え。通信部分はイー・アクセスが担当し、サービス部分はISP(インターネットサービスプロバイダ)が担当するといった形態が考えられているという。
移動体電話の拡充、インフラの充実、技術革新が図られ、21世紀のキーワードである「ユビキタスネットワーク」が着々と推し進められているのである。
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