店頭流通

シグマA・P・Oシステム販売 「カテゴリー・キラー」製品増やす サプライ、DOS/Vパーツ順調に成長

2005/04/11 16:51

週刊BCN 2005年04月11日vol.1084掲載

 ファニチャーメーカーから総合サプライメーカーに変身中のシグマA・P・Oシステム販売(菅野高吉社長)は、「カテゴリー・キラーの製品を着実に増やすことで、存在感を増していく」(菅野社長)方針をさらに徹底させる。現在の事業構造は、ファニチャー、サプライ、DOS/Vパーツの3部門にくくることができるが、いずれの分野も競争はきわめて厳しく、業界再編成は避けられないとの声も聞こえる。そのなかで同社は、「他社にまねのできない特徴ある製品を出し続ければ、ユーザーは必ず評価してくれる」(菅野社長)としてカテゴリー・キラーの製品開発に全力を挙げる。

 同社の創業は1968年で、「98年まではデスクとイスだけを製造販売していたが、事業分野を広げないと成長は難しいと考え、まずマウスやテンキーボードなどサプライ製品に参入した。現在は、デスク&ラック、チェア、マウスなどのペリフェラル、バッグなどのアクセサリー、スピーカーなどのマルチメディア、パソコンケースなどのDOS/Vパーツ、ケーブル」(同)にまで手を広げている。

 昨年度(04年9月期)の売上高は25億円、今年度は28億円を目標にしているが、「現在の売り上げ構成は、ファニチャー系が35%、サプライ系が45%、DOS/Vパーツ系が20%といったところだが、3か年計画でDOS/Vパーツの比重を高め、3分の1ずつの比率にもっていく」というのが当面の方針だ。

 菅野社長がカテゴリー・キラーを強調するのは、これまでの実績があるからだ。

 例えば、マウス。エレコム、サンワサプライ、ロジクール、マイクロソフトの4強が厳しいシェア争奪戦を展開、少し引き離される形でシグマ、アーベル、ロアスなどが5位争いをしている。BCNランキングでは、月次で5位の座が入れ替わるという激戦だ。「当社がマウスでここまでこれたのは超小型化で先行したから。コボルト(COBOLD)シリーズはノートパソコンに最適な8.5センチサイズのミニマウスだが、現在も好調に売れ続けている」という。

 菅野社長は、これまでのカテゴリー・キラー製品と、今後の方針を次のように語る。

 「テンキーボードでは、全角、半角の切り替え用に一発切り替えボタンを搭載した。インナーバッグでは、衝撃をダブルでブロックするように2層構造にした。これには特許を6件申請している。パソコンケースでは、通気性を高めるためにメッシュ構造を開発した。実用新案は登録済みで、意匠登録も申請している。DOS/Vパーツへの参入は最後発になるが、このメッシュケースが牽引役となり、順調に成長している」

 「このように、他社にない製品、工夫を凝らした製品は着実に売れる。あの会社って面白いことをやるね、ひと味違う商品をもっているね、といわれる商品を今後も出し続けていけば、競争はどんなに厳しくても右肩上がりで成長できる」というのが、菅野社長の当面の方針だ。
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