店頭流通

エプソンダイレクト リアプロテレビ市場本格化を予想 マーケティングやサービスを拡充

2005/04/04 18:45

週刊BCN 2005年04月04日vol.1083掲載

 セイコーエプソングループのエプソンダイレクト(山田明社長)は、大画面液晶プロジェクションテレビ「リビングステーション」の販売を強化する方針を明らかにした。2004年5月の発売以降、リアプロジェクションテレビ市場本格化に向けた取り組みを行ってきたが、05年を“リアプロテレビ普及元年”として、マーケティングやサポート強化など市場拡大戦略を本格化する。

 リアプロテレビ市場についてエプソンダイレクトでは、「参入メーカーが増えており周囲の環境が追い風になっている」(清水敏男・PTV営業部課長)ことや、以前に比べ顧客は「大画面に抵抗が無くなってきている」(同)とし、リアプロテレビが拡大する基盤は整ってきたという。

 このため同社では、将来的にはリアプロテレビを「液晶やプラズマテレビに並ぶ市場に育てる」(清水課長)計画だ。05年は、市場の活性化に向けて早期に市場を立ち上げるための戦略に力を入れる方針。

 リアプロ方式の画質が悪いなどのマイナスイメージを払拭するするために、旧タイプとの違いを十分に説明する必要があることから、現在は店頭での販売は行っておらず、インターネットや電話、ショールームでの販売に限定している。ショールームの来場者に直接説明し、意見や要望を収集したうえで、顧客ニーズを製品やサポートに反映してきた。

 こうした顧客の生の声を取り入れたマーケティングにより、製品購入後の設置サポートにニーズが多かったことがわかり、今年2月には新たなサポートメニューもスタートした。これは、本体価格に1万5000円をプラスすると、接続やチャンネル設定、動作確認、顧客の手持ちのDVDレコーダーなどとのセットアップを輸送業者が納品時に行う。また、逆に動作確認などを顧客が自分で行う場合は、本体価格から5000円を割り引くというサービス。

 サービスメニューのバリエーションを揃え、きめ細いサービスや、同社の根幹であるパソコンのBTO(注文受注生産)の発想を生かし、「本体のカスタマイズ対応も検討材料としている」(清水課長)という。

 さらに、体感フェアやイベント、体感サテライトなど「顧客の目に触れる場を充実させていく」ことで、製品やサービスに直接フィードバックし、リアプロテレビの新しい使い方も提案していく考えだ。
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