店頭流通
ワコム ペン手書き入力の「ビズタブレット」 新規需要つかみ好調な立ち上がり
2005/04/04 18:45
週刊BCN 2005年04月04日vol.1083掲載
同社の創業は1983年。設立以来ペンタブレットの技術を核に成長を続けてきた。世界市場にも積極的に進出、「米国、日本はほぼ100%に近く、欧州はプライベートブランドのシェアが高いので50%くらいになるが、世界では70%のシェアを持っているはず」(小見山執行役員)という。
連結売上高は、2004年3月期で165億円、「今期は184億円を目標にしてきたが、何とかクリアしたい」と好調に業績を伸ばしている。
現在の商品体系は、①プロフェッショナルユーザー向けの「インテュオス(Intuos)シリーズ」、②コンシューマ市場向けの「ファーボ」シリーズ、③液晶の画面に直接書き込める「液晶ペンタブレット」シリーズ、④OEM(相手先ブランドによる生産)主体のコンポーネント事業からなる。
コンシューマ市場向けには、手書きメール、イラストやお絵かき、写真加工などで評価されている「ファーボ」を投入しているが、「ペンタブレットが有効に利用できる範囲はもっと広い。これまでは、パソコンありきを前提にしてきたが、この前提を外し、オープンプラットフォームの視点で考えると、多様な用途が見えてくる。例えば、携帯電話、知育玩具、電子印鑑などだが、今回のビズタブレットもそうした発想の枠を広げる中から生まれた」という。
ビズタブレットは、155.8(幅)×138.9(奥行)×13.5(高)ミリのタブレットと、附属ソフト「ジャストライトオフィス」からなる。ジャストライトオフィスをパソコンにインストールしておくと、①マイクロソフトのパワーポイント、エクセル、ワードのプラグインとして作動、それらのドキュメントへ手書き文字を書き込める、②アドビのPDFファィルにも書き込める──などの機能をもっている。
「プレゼンテーション中に、ここが重要ですよと赤丸で囲ったり、矢印と同時に人気上昇中などの言葉を書き込むことができるので、プレゼンの説得力が違ってくる。また、編集校正作業では、PDFファイルに、直接赤字で書き込み、eメールでのやりとりができる。ファクシミリ経由では考えられなかった臨場感にとんだやりとりが可能で、この辺が先進的ユーザーに評価されだしている」という。
「今後も地道に用途提案を続け、ペンタブレットの市場拡大に取り組む」というのが同社の方針だ。
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