全国ショップ激戦図
<全国ショップ激戦図>71.山梨県甲府市周辺(中)
2005/04/04 18:45
週刊BCN 2005年04月04日vol.1083掲載
シルバー層を取り込め
甲府市内に「NEW甲府店」もあるコジマは、「山梨県のマーケットシェアでトップの座を手に入れる」(小島章利社長)と意欲を燃やす。これは、戦略的な店長を起用していることにも表れている。店長には、同社で10以上の新店舗を立ち上げてきた馬場氏を就けた。馬場店長は、甲府店がリニューアルオープンに向けて改装するために一時休業する3か月前から店長を務め、山梨県のマーケットおよびユーザー層を研究した。「お客さんの横のつながりが強い。固定客にするには時間はかかるものの、店を気に入れば友人などを連れて来店してくれるようになる」、「最大のライバルであるヤマダ電機が獲得し切れていない顧客層が甲府店に来店しているケースが多い」と分析。「甲府店のユーザーは、シルバー層といわれる60歳以上が多かった。競合他社のショップが薄型テレビなどデジタル家電機器やパソコンなど情報関連機器の販売に力を注いでいる一方、甲府店では白物家電の拡販に徹し、リピーターを確保した。今後も、この戦略を徹底する」方針だ。加えて、「これまで売り場面積が狭く、設置が難しかったデモコーナーを強化する」ことで、提案型の店作りを追求していく。コジマのリニューアル戦略は、甲府市内の家電量販店にも少なからず影響を与えることになる。
ベスト電器が昨年3月に出店した「甲府店」(甲府市千塚)は、「コジマのNEW甲府バイパス店とは、60歳以上の顧客が多いという点で当店と顧客層が重なっている。顧客を奪われない戦略を打ち出さなければならない」(道越大一郎店長)と危機感を募らせる。同店は、湯村温泉近くにある食料品中心の大型スーパー「オギノ湯村ショッピングセンター」内に店を構えている。「食料品の買い物に来た主婦層が当店に来店するケースが多い」(道越店長)という。これまで、半径3キロメートルと競合店に比べて狭かった商圏を、「今後は拡げていく」と決断した矢先に、10キロメートルと離れていないコジマのNEW甲府バイパス店がオープンした。「低価格で勝負することも視野に入れる」とあくまで対抗していく考えだ。(佐相彰彦)
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