秋葉原物語

<秋葉原物語>[第2部 エボリューション]22.春のフェア、例年以上の盛り上がり

2005/04/04 16:51

週刊BCN 2005年04月04日vol.1083掲載

 “新生アキバがいよいよ始動”──このキャッチフレーズで、秋葉原電気街では3月19日から4月10日まで「春のデジタルライフフェア」を実施している。

 なぜ“新生アキバ”なのかというと、JR秋葉原駅前の高層ビル「秋葉原クロスフィールド」の1棟である「秋葉原ダイビル」のオープンにタイミングを合わせたフェアであるため。主催は秋葉原電気街新興会。千代田区が後援し、「秋葉原クロスフィールド」のデバロッパーであるエヌ・ティ・ティ都市開発(NTT都市開発)とダイビル、鹿島の3社も名を連ねた。

 期間中は、秋葉原のショップで購入金額が5000円以上のユーザーにスクラッチカードを配布。当りが出れば、石丸電気やソフマップ、九十九電機などフェア参加店の家電量販店やパソコン専門店約20社で使える1万円の買い物券がもらえる。

 また、デジタルマルチメディア放送に対応したモバイル端末「モバビジョン」を体験できる「モバHO!東芝モバビジョンフェア」を3月20-21日に実施。フェア参加店の各店舗でデモコーナーを設置した。いつも以上の来客数につながったショップもあったようだ。

 4月2-3日には、秋葉原ダイビル前を展示場とし、NECや富士通など大手メーカーが協賛し、「デジタルライフエキシビジョン」を開催。同会場では、各メーカーが最新のデジタル製品のブースを設置し、ユーザーは最新機能を自由に体験できる。この期間は、ダイビル近くの駅前広場特設ステージで、吉本興業の若手芸人らによるライブやトークショーなども。

 ほかにも、電気街限定のオリジナルモデル「ルート・エー」シリーズとしてノートパソコンやVTR一体型のDVDプレーヤー、液晶テレビなどの販売も行っている。同モデルは、2004年冬商戦が幕を開けた昨年秋から販売を開始しており、順調にユーザーを増やしているという。

 秋葉原ダイビルのオープンで、これまで“アキレス腱”となっていた駐車場が充実した。自家用車で気軽に訪れることが可能になり、秋葉原に足を運びやすくなった。

 これまでのフェアは、どちらかといえばマニアを集めるイベントが多かった。今回のフェアは、秋葉原の独自色を持つフェアではなかったが、パソコンユーザーやアニメファン、フィギュアマニアだけではないユーザーが電気街に誘う効果があったのではないだろうか。(佐相彰彦)
  • 1