店頭流通

トレンドマイクロ 個人情報保護法の完全施行を受け 情報漏えい対策の販促キャンぺーン開始

2005/03/28 18:45

週刊BCN 2005年03月28日vol.1082掲載

 トレンドマイクロ(エバ・チェン社長兼CEO)は、個人ユーザー向けセキュリティソフト販売で、パソコンショップなどでの販促キャンペーンを開始した。4月1日の個人情報保護法完全施行で、パソコンユーザーのセキュリティへの関心がさらに高まると判断。個人情報の流出防止機能を訴え、販売本数の増加につなげる。

 販促キャンペーンでは、全国のパソコンショップや家電量販店に、個人情報保護法の内容や情報流出を防ぐための対策方法を説明したPOPを設置。店頭で流すプロモーションビデオも、セキュリティソフト「ウイルスバスター2005」の個人情報漏えい対策機能を中心内容に作り変えた。さらに、個人情報の保存で注意すべき点などのコンテンツを格納したCD-ROMを「ウイルスバスター2005」に10万本限定で同梱する。情報漏えい対策機能をアピールして、販売本数の増加につなげていく考えだ。

 コンシューマ事業の指揮を執る宍倉豊・リテールパートナーセールスグループディレクターは、「個人情報保護法は主に法人が対象になるが、一般のユーザーも情報セキュリティ対策に関心を示すはず」と予測し、今回のキャンペーンを実施することになったと話す。

 トレンドマイクロが行ったユーザーアンケート調査では、クレジットカード番号の不正取得など、ウイルスの侵入よりも情報漏えいを不安に思っているユーザーが多いという結果が出ている。「情報漏えい対策への関心は企業や団体だけではない」(宍倉ディレクター)とみている。

 昨年10月下旬発売の「ウイルスバスター2005」では、個人情報漏えい対策を中心に新機能を拡充した。具体的には、スパイウェアやフィッシング詐欺などによる個人情報の流出を防ぐ機能や、無線LAN環境で登録されていないパソコンを自動検知・通知する機能などを盛り込んでいる。フィッシング対策では、URLフィルタリングで対応しており、「大手銀行の名を騙ったフィッシングサイトが発見された時も、発見後2時間で対応した」(宍倉ディレクター)という。

 宍倉ディレクターは、「2004年はダウンロード販売が前年に比べ86%増と、ショップ販売よりも伸び率は高かった。だが、ショップに比べればダウンロード販売の規模はまだ小さい。店頭チャネルが販売の核になる」と話す。個人情報保護法の完全施行をきっかけにショップでの販売を加速させる。
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