全国ショップ激戦図
<全国ショップ激戦図>68.横浜市港南区(中)
2005/03/14 18:45
週刊BCN 2005年03月14日vol.1080掲載
ヨドバシ、テナント出店のメリット生かす
京浜急行線上大岡駅前の「京急百貨店」内に店を構えるヨドバシカメラの「マルチメディア京急上大岡」では、百貨店へのテナント出店を武器に、ヨドバシカメラの顧客としては少なかった、高齢者や女性などをユーザーとして増やしている。ヨドバシカメラのユーザー層は、駅前の立地条件から会社員など30歳代の男性が多い。しかし、マルチメディア上大岡では、「購入者の30%が60歳以上。しかも、京急百貨店にテナント出店しているアパレル関連のショップに来る主婦なども来店する」(山野比呂志店長)と、これまでにない新しい顧客層の来店が多いことを挙げる。1日平均の来店者数は、平日が2万4000人、休日は5万人以上と、港南区に店を構える競合店の群を抜いている。
売り場作りで力を注いでいるのは、広いスペースを使ってデモコーナーを設置すること。液晶テレビやPDP(プラズマディスプレイパネル)のコーナーでは、来店者が座れる長椅子を並べ、多くのユーザーが視聴できるようにした。「休憩を目的に座っているお客さんもいるが、こういう人たちがあとで薄型テレビを購入する場合もある。お客さんが落ち着いて商品を体験できるコーナーを設けることが購入に結びつく」と確信している。しかも、広い売り場で体験した「32インチ以上の大画面モデルが売れ筋になっている」ようだ。
百貨店内に店を構えている点から、「丁寧で親切な接客」を徹底し、専門用語を使わない。そしてデモコーナーやPOPを使いながら商品の用途提案に積極的だ。こうして、機能を分かりやすく説明することで、「上位機種が多く売れる」という効果がある。そのため「当社が出店している店舗のなかでも、1購入者あたりの単価が高い」と山野店長は胸を張る。
提案型の接客でパソコン本体の購入者増にもつながった。パソコンおよび関連機器の売上比率は全体の4割以上。「パソコンで何をしたいのかをユーザーから聞き出すことで、プリンタなど関連機器の販売につながっている」と、提案型接客で効果をあげている。(佐相彰彦)
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