全国ショップ激戦図

<全国ショップ激戦図>62.東京都府中市(下)

2005/01/31 18:45

週刊BCN 2005年01月31日vol.1074掲載

 ロードサイドに出店している郊外型店舗は、たくさんの自動車を収容できる大型駐車場を確保し、遠方のユーザーでも来店できるようにするのが当たり前になっている。土日ともなれば多くの家族連れが来店する。しかしその一方で、駅前店などに比べ平日の来店が少ないのがネック。いかに平日の来店を増やすかが課題だ。

競合店との差別化を明確に

 東京都府中市のパソコン専門店や家電量販店は、平日の来店客を増やすため、さまざまな工夫を凝らしている。ヤマダ電機は、府中街道近くの「テックランド府中店」をスーパー「サミット」との複合店舗にした。平日の夕方には、食料品や日用品の買い物でサミットを訪れた主婦がヤマダ電機にも立ち寄り、電球やコピー用紙、インクジェットプリンタ用インクなどの消耗品を購入する。また、洗濯機や冷蔵庫など白物家電の買い替えのために、各商品の機能を店員に聞いている光景がしばしば見られる。

 甲州街道沿いのピーシーデポコーポレーション「東府中店」では、ドラッグストア「サンドラッグ」との複合店舗を採用。パソコンユーザーとして男性が来店するだけでなく、薬や化粧品を購入する女性も訪れる。

 複合店舗の利点は、新規ユーザーを開拓しやすい点。ヤマダ電機のテックランド府中店では、平日に白物家電の品定めをした主婦が休日に家族連れで来店しているという。ピーシーデポの東府中店は、パソコン専門店を訪れるケースが少ない女性層を顧客として獲得している。スーパーやドラッグストアにとっても、休日にパソコンや家電を購入したユーザーが寄っていくという効果につながっているようだ。

 ギガスケーズデンキでは、3階建ての「ケーズデンキ府中本店」で、1フロアの半分以上のスペースを割いて、小学生以下の子供が遊べる「キッズコーナー」を設けている。子供のいる家族が来店した時、家電を購入する間、子供を遊ばせておくという用途で使っている。

 府中市は近隣市と比べ競争が激しい。このため、各ショップが競合店との明確な差別化を図った店舗形態になっている。(佐相彰彦)
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