全国ショップ激戦図
<全国ショップ激戦図>59.東京都あきる野市(下)
2005/01/10 18:45
週刊BCN 2005年01月10日vol.1071掲載
自作パソコンユーザーを増やす
特に組立パソコン用パーツに関しては、自作パソコンユーザーは八王子や立川、さらには新宿や秋葉原電気街まで足を伸ばすのが当たり前になっており、地元のショップは集客に苦慮している。秋川駅から徒歩5分程度の五日市街道沿いに店を構えるDOS/V Factoryは、「売り上げが年々下がっている」と、店長を務める船戸直樹代表も対応に頭を痛めている1人。
同店のオープンは1998年。パソコン市場が急拡大していたことで、オープンから業績好調。幸先の良いスタートに「店を開いて良かったという思いだった」と当時を振り返る。しかし、「売り上げが伸びたのは00年まで。その後は下降線をたどる」ことになった。
「パソコン本体の低価格化が進み、当店が扱っているパーツ類も価格下落の影響を受けている。なかでも、自作パソコンを始めようというパソコン中級者層に“自作の方が安い”という認識が薄れ始めている」と、〝完成品〟の価格ダウンが売り上げに響いている。このため、「今後も売り上げを伸ばすことは難しいかもしれない」と深刻だ。
そこで、なんとか利益を確保するため、サポートおよび修理を強化する策に踏み切った。サポートでデスクトップパソコンのCPUやHDD(ハードディスクドライブ)などの交換をはじめ、自作パソコンの不具合について同店以外で購入したパーツでも修理に対応している。サポート・修理は、1か月平均で30件。今では売り上げ全体の20%に達している。「売り上げ自体は落ちているが、利益は確保できている」。近く出張サポートをサービスメニューに追加することを検討すると意欲的だ。
自作ユーザーを増やすために店内にDIYコーナーを設け、完成まで無料で技術指導している。加えて、サポートメニューの充実で、「何気なく店内に入ったユーザーが、“パソコンを組み立ててみよう”とパーツを購入して組み立てるケースも多くなった」と、自作パソコンへの誘導に効果を挙げている。(佐相彰彦)
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