店頭流通

デスクトップパソコン販売 冬商戦は緩やかな伸び テレビ視聴の需要じわり

2005/01/03 16:51

週刊BCN 2005年01月03日vol.1070掲載

 デスクトップパソコンの販売台数が緩やかに伸びている。2004年冬商戦は、11月初旬をピークに11月下旬まで販売台数が下降していたが、12月に入り再び増加。11月1-7日の販売台数を100とした場合、12月6-12日は127と堅調な伸びを示した。

 夏商戦でアテネオリンピックの影響で需要が薄型テレビやDVDレコーダーなどデジタルAV(音響・映像)機器に奪われてしまった。パソコンメーカーでは、この反省から、04年冬商戦では挽回を期して、テレビコマーシャルなどプロモーション活動に力を注いだ。各社とも03年に引き続き、パソコンの画質がテレビと遜色なく、しかもHDD(ハードディスクドライブ)と記録型DVDなどの機能で映像を保存できるなど、パソコンが“テレビとHDD付きDVDレコーダーが搭載された製品”で利便性が高いとアピールした。

 BCNランキングによれば、テレビチューナーを搭載したデスクトップパソコンの販売台数は市場全体の7割以上に達している。こうした努力が奏功し、11月は低迷から脱却する気配を見せ、12月も前週を上回る状況が続いている。パソコンを拡販しているショップやメーカーのPR戦略で、ユーザーの間には「パソコンでテレビ番組の視聴や録画を行う」という意識が浸透しつつあるようだ。

 こうした状況から、昨年12月4日に東京・荻窪地区でオープンしたコジマの「NEW善福寺店」では、「パソコン初心者である主婦や高齢者を固定客として獲得する」(渡邉英司店長)ことを狙って、パソコン販売に力を入れる。さらに、東京・秋葉原のラオックス「ザ・コンピュータ館」では、店舗の“顔”となる1階部分にDVDレコーダーやAVパソコンなどを展示。デジタルAV機器とパソコンの両方を1フロアで展示することで、パソコンの購入を高めることにもつながっているようだ。
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