拡大するデジタル情報機器市場
<拡大するデジタル情報機器市場>11.家庭用ゲーム機(上)
2004/11/15 16:51
週刊BCN 2004年11月15日vol.1064掲載
このような背景のなか、家庭用ゲーム市場はここ数年、市場が縮小傾向となっており、厳しい市場環境が続いている。
そのような折、今年末に携帯型ゲーム機の分野で、国内ではバンダイのワンダースワン以来、久し振りに任天堂以外の新型ハードが登場し、また任天堂からも新しい携帯ゲーム機が販売されるということになり、業界を中心に注目を集めている。
この任天堂以外の携帯ゲーム機というのは、据置型ゲーム機で市場をリードするSCEから発売されるプレイステーション・ポータブル(PSP)である。また、そのPSPを迎え撃つ形で任天堂から販売されるのが、ニンテンドー・DS(NDS)である。
まずNDSが12月2日に販売され、PSPがそれを追うような形で12月12日発売され、この冬商戦で2つの新型の携帯型ゲーム機が市場で競い合う形となる。
それでは、この2つの新型ゲーム機について、今回はPSPの詳細を見ていきたい。
PSPはその仕様をみると、4.3インチ16:9のフルカラーTFT液晶で、PS2並みの3Dグラフィックス機能を持つ。また、容量1.8GBになるUMDという光ディスクメディアでソフトを提供するため、ゲームだけでなく、DVD並みの画質(SDレベル)の映画や音楽ソフトも再生できるようになっている。そのため、ゲーム機というよりはデジタルコンテンツ全般のポータブル再生機という性格になっている。
また、最初は携帯型ゲーム機としてアピールしていくわけだが、メインターゲット層を、GBAのターゲットである子供ではなく、18-34歳の男性層に置いていることも、この端末の性格の一端を表しているように思われる。発売当初のソフトのラインアップをみても、どちらかというと、これらの層が好むようなゲームが多いように見える。まずはこれらの層への普及を図り、その後で、ゲーム以外のコンテンツへの拡張もというところであろう。
希望小売価格を見ても、これらの機能が入っていて1万9800円(税抜き)と、大変意欲的な価格設定に思われる。そのため、メインターゲット層だけでなく、ファミリー層などにも、アピールする可能性を秘めている。
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