全国ショップ激戦図
<全国ショップ激戦図>51.千葉・幕張(上)
2004/11/08 18:45
週刊BCN 2004年11月08日vol.1063掲載
国道14号線沿いが激戦区に
この3社のなかで最も出店が早かったのはコジマ。1998年5月に、「NEW幕張インター店」(千葉市美浜区)を京葉道路と国道14号線が交差する幕張インター近くにオープンした。次に店を構えたのはラオックスで、「幕張店」(千葉市花見川区)を出店。コジマと同じ国道14号線沿いでの出店だったが、NEW幕張インター店との距離が2キロメートル程度離れているという点から、この2店での安売り競争はさほど激しくはなかった。しかし今年3月、ヤマダ電機が3Qグループの「100満ボルト幕張店」跡地に「テックランド幕張店」(千葉市花見川区)をオープンし、状況が一変する。
ヤマダ電機のテックランド幕張店とコジマのNEW幕張インター店は、国道14号線を挟んで向かい合うように店を構えている。来店者数の増加に向け、両店における安売り競争が勃発し、14号線沿線での価格競争に火がついた。
幕張地区の特徴は、数多くの分譲マンションが建設され、30─40歳代のファミリーが多く入居するようになっていることだ。しかも、ビジネス用途の高層ビルも建ち並び、JR京葉線の海浜幕張駅を中心にビジネス街が出現。平日には多くのビジネスマンが幕張地区で勤務するなど、人口増加に拍車がかかる。
家電量販における幕張地区のユーザーといえば、これまでは住宅街であった千葉市花見川区が中心。JR総武線の幕張本郷駅や幕張駅周辺などで3世代に渡って住んでいるなど、昔からこの地区に根付いている住民が多かった。しかし、東京湾地域の都市開発が進んだことで、これまで少なかった若い世代を中心に流入人口が増えた。
流入組に多くの集客を期待できることから、ヤマダ電機やコジマ、ラオックスの3社とも、交通量が多い国道14号線のロードサイドで三つ巴の争いを展開。郊外店が多くのファミリーを顧客として獲得するためには、駐車場の完備、品揃えの多さ、豊富な商品知識などが必要になってくる。同じ道路沿いに3店舗が集まり、激戦区になった幕張地区は価格も顧客を増やすための重要なファクターだ。
ラオックス幕張店では、03年度(04年3月期)の売上高は02年度を上回る実績だった。しかし、ヤマダとコジマの価格競争が少なからず影響し、今年度に入ってからは前年同月比で横ばいの売上高が続く。この状況を打開すべく業績回復の策を練っている最中だ。(佐相彰彦)
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