店頭流通

米ロジテック PCカメラの普及を促進 アプリ開発で需要を喚起

2004/09/20 16:51

週刊BCN 2004年09月20日vol.1056掲載

 米ロジテック(ゲリーノ・デ・ルーカ社長)は、日米など主要5か国のPCカメラの普及率を3年後に最大で2倍強に増やす。米ロジテックの調べによれば、日本、米国、フランス、ドイツ、イギリスの主要5か国におけるパソコンユーザーのうち、PCカメラを使っている比率は14%程度にとどまっているという。これを3年後の2006年度(07年3月期)末までに20-30%に増やすとしている。同社では、PCカメラの普及率が依然として10%台と低いため、、、

 米ロジテック(ゲリーノ・デ・ルーカ社長)は、日米など主要5か国のPCカメラの普及率を3年後に最大で2倍強に増やす。米ロジテックの調べによれば、日本、米国、フランス、ドイツ、イギリスの主要5か国におけるパソコンユーザーのうち、PCカメラを使っている比率は14%程度にとどまっているという。これを3年後の2006年度(07年3月期)末までに20-30%に増やすとしている。同社では、PCカメラの普及率が依然として10%台と低いため、自社のシェアを拡大するよりも「PCカメラの普及率そのものを高め、市場全体の規模を拡大させた上でシェア拡大を図った方が得策」(米ロジテックのジュニアン・ラブルース・ビデオビジネスユニットシニアバイスプレジデント=写真)と判断した。PCカメラ市場におけるリーダーシップを発揮して、市場全体の拡大を促進する。米ロジテックのPCカメラの主要5か国における販売台数シェアは約50%強で推移している。

 普及率を高める施策として、ビデオ電話などPCカメラを活用するアプリケーションソフトの開発に力を入れる。これまで一般的だったビデオ電話では、1秒間に数コマの画像しかやりとりできず、ビデオ映像の動きに違和感があった。これを1秒間に10-15コマの画像を転送できる技術を年内をめどに開発し、従来よりスムーズな動画を実現する。この技術は、順次、世界の主要市場に向けて普及させる。また、PCカメラで捉えた人の顔の動きをアニメーションキャラクターの動きに変換するソフトも現在開発中で、「人の顔を映し出す従来の機能に加えて、アニメキャラクターを自分の顔の動きに同調させて動かせるようにすることで、ビデオ電話の楽しさを倍増させる」(同)と、PCカメラ関連の新しいジャンルのアプリケーションソフト開発にも取り組む。

 このアニメキャラクターの動きに変換するソフトは、人の顔の動きを追跡する「フェーストラッキング」と呼ばれるロジテックのPCカメラ製品(国内ではロジクール製品)オリジナルの機能を使う。このため、原則としてフェーストラッキングの技術に対応したアプリケーションソフトになる見通し。汎用的なPCカメラで使えるアプリケーションの開発を進める一方、フェーストラッキングなど自社オリジナルの技術に対応したアプリケーションの開発も進めることで、市場全体の規模拡大を促進する施策と、自社製品のシェアを拡大する施策の両方を並行して進める。
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