全国ショップ激戦図

<全国ショップ激戦図>44.神奈川・相模原(上)

2004/09/20 18:45

週刊BCN 2004年09月20日vol.1056掲載

 コジマが、首都圏西部地域の家電量販市場でシェア拡大の体制を整えた。小田急小田原線小田急相模原駅から徒歩で約10分、神奈川県道51号町田厚木線沿いに店を構える「座間店」の売り場面積を1957平方メートルと4倍に拡大し、「NEW座間店」として9月11日にリニューアルオープンした。オープン当日の朝礼で小島章利社長が、「座間店が生まれ変わったことにより、神奈川県でトップシェアを狙う」と意欲を燃やすほど、同店をシェア拡大に重要な店舗と位置付けている。

コジマ、神奈川トップシェアの体制へ

 コジマが座間店を出店したのは1988年。コジマにとっては神奈川県での第1号店として、進出の足がかりを築くための旗艦店だった。しかし、家電量販店の競争が激化し売上高が減少。今回、起死回生をかけてリニューアルを図った。

 同店は、地上1階から4階の構造。延べ床面積が4585平方メートル。1階は約90台を収容できる駐車場、2階がエアコンや冷蔵庫など家電機器のフロア、3階がパソコンおよび関連機器、AV(音響・映像)のフロア構成となっている。売り場面積を増床した分、4階はストック用の倉庫にし、アイテム数を旧座間店の4倍以上に増やした。

 野澤利幸店長は、「座間市は人口13万人弱と、神奈川県のなかでは比較的多い」としており、リニューアルによる品揃えの増加で来店者数を伸ばす。加えて、「20-30歳代の単身者層が多い。携帯電話をはじめ、パソコンやデジタルカメラなどを競合店よりも充実させた」(野澤店長)と、若い世代を顧客として確保する方針だ。

 リニューアルに向け、今年1月25日から座間店を一時閉鎖した。88年のオープンから閉鎖までの16年間で来店した顧客は延べ240万人。山本紀雄・執行役員東京・神奈川営業部長は、「座間市や相模原市などに住んでいる人は必ず1度は来店している計算になる。これからも、どれだけのお客さんを囲い込めるかが重要」と強調する。

 一時閉鎖からリニューアルまで、7か月間以上のブランクが生じた。このためリスタートは、「まずは既存顧客を競合店から取り戻す」(野澤店長)ことを徹底するという。リニューアルオープンに向けたチラシ配布では、「近隣の住宅6000軒に関しては手配りで回った」(同)。これが功を奏し、オープン初日の来店者数は1万8000人と順調な立ち上がりをみせた。(佐相彰彦)
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