店頭市場ピックアップ

デジタルカメラの販売動向

2004/09/20 16:51

週刊BCN 2004年09月20日vol.1056掲載

松下、“カード型”で躍進

メーカーシェア2位へと急浮上

 デジタルカメラ市場で、松下電器産業のシェアが急拡大している。直近のBCNランキング週次データ(9月6-12日)では、メーカー別販売台数シェアでキヤノンに続き2位へと浮上した。図は、BCNランキング週次データをもとに、最近約1か月間のメーカー別台数シェア推移を表した。松下を2位へと押し上げたけん引役は、8月27日に発売した同社初のカード型デジタルカメラ「DMC-FX7」と「DMC-FX2」だ。両製品投入前の週(8月16-22日)では、台数シェア2.7%で10位に甘んじていたが、投入後にシェアは急拡大。直近の週次データでは、台数シェア14.64%、金額シェア17.61%を獲得している。

 両モデルは、厚さ24.2ミリメートルの本体に、松下独自の手ブレ補正機能を備えたことなどが特徴だ。カード型は、最近のデジカメ市場で売れ筋となる大きな要素となっている。カシオの「エクシリム」やソニーの「サイバーショットTシリーズ」などのヒットは、それを証明している。ライカとの提携により、デジカメ市場に参入した松下だが、メーカー別シェアランキングで上位に入ることは稀で、“泣かず飛ばず”の印象が強かった。だが、流行のカード型モデルを開発・発売したことで、それを一気に払拭した格好だ。

 急速に拡大した日本国内のデジカメ市場も、ここにきて飽和感が出てきたのが現状。カメラ映像機器工業会の調べでは、デジカメの世帯普及率は今年3月末の時点で50%を超え、今年6月の国内出荷台数では1999年12月の調査開始以来、初めて前年同月の水準を下回った。新規顧客の開拓から、買い替え・買い増し需要の掘り起こしに、シェア拡大のための焦点が移ってきただけに、商品コンセプトの斬新さが、メーカー各社にはさらに求められている。カード型というユニークなモデルのヒットは、まさにその裏付けだろう。
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