全国ショップ激戦図
<全国ショップ激戦図>42.宮城・仙台市(中)
2004/09/06 18:45
週刊BCN 2004年09月06日vol.1054掲載
ヨドバシ、来店者数で競合店を圧倒
同店は、地上1階と2階の2フロア構成。1階でパソコンおよび周辺機器、デジタルカメラや携帯電話などを販売し、2階で家電機器やAV(音響・映像)機器、ゲーム関連機器を揃える。売上構成比28%のパソコン関連、17%弱の家電機器、17%程度だが上昇傾向にあるAV機器、16%のカメラ関連などが主力商材。加えて、最近では2階奥で販売していたバッグなど海外ブランド品のコーナーを人の往来が多い2階通路側に設けた。これで、会社帰りの女性が来店する比率が高まったという。商圏は、仙台市だけでなく、宮城県を含めた東北6県を想定しており、1店舗あたりの顧客エリアは競合店と比べ広い。しかも、「当社のなかでカメラだけでなく、情報関連機器も扱う意味で『マルチメディア』と名付けてオープンしたのが仙台」(片野店長)と、全国で「マルチメディア」を冠した店舗戦略の嚆矢が仙台店であることを強調する。
というのも、ヨドバシカメラが仙台市に進出した1991年当時、東北6県における家電量販店の知名度は宮城県を本拠地とするデンコードーが圧倒的に強かった。ヨドバシカメラは、JR仙台駅西口に店を構え、徐々に来店者を増やしていたものの、なかなかデンコードーを切り崩せなかった。
そこで97年にメインの店舗を東口の駅前に移し、マルチメディア仙台としてオープン。これが東北6県におけるヨドバシカメラの知名度アップにつながったという。現段階でも、デンコードーの知名度が地元住民に根付いてはいるものの、マルチメディア仙台が駅前で家電などを気軽に購入できることをユーザーにアピール、結果的に多くの来店者を獲得するようになったわけだ。
今年度(05年3月期)の売上高については、「前年度を確実に上回る」と言い切る。今後も、売上高を一層伸ばしていくために、「来店者数をさらに増やす」という。同店の総売り場面積は約6500平方メートル。1日平均で2万人は確実に超える来店者数の割には手狭である。来店者数をさらに増やすための増床という選択肢も今後の可能性として高まってくるだろう。(佐相彰彦)
- 1