店頭市場ピックアップ

PCカメラの販売動向

2004/09/06 16:51

週刊BCN 2004年09月06日vol.1054掲載

2極化で幅広いニーズつかむ

前年同期比で4割強増と好調

 PCカメラ製品の2極化が進んでいる。解像度が10万画素クラスの廉価製品を主力にシェアを伸ばすメーカーがある一方で、解像度を30万画素クラスに高め人の顔の動きを追跡できる機能などを追加したモデルを中心として、販売単価アップを目指すメーカーもある。BCNランキング8月23日-29日のPCカメラ部門の週次販売台数シェアではロジクールが44.3%とトップを占め、エレコムが17.3%、サンワサプライが8.5%、日立マクセルが8.0%と続く。金額シェアで見ると、ロジクールが49.1%、エレコムが10.9%、日立マクセルが5.7%、サンワサプライが5.2%となり、ロジクールの金額シェアの高さが目立つ。

 ブロードバンドの浸透が追い風となり、市場全体としては拡大基調にある。今年2-7月の半年間における販売台数の前年同期比は140.0%、販売金額では同135.2%と順調に伸びた。ブロードバンドを使った遠隔地とのビデオチャットなどが主な用途であると見られ、こうしたアプリケーションの普及がPCカメラの市場拡大に大きな影響を与えている。また、ブロードバンドの特性を生かし、従来よりも高精細な動画を再現できる画像圧縮技術を採用したPCカメラの投入が今後増える可能性がある。

 ロジクールによると、世界の主要市場のパソコンユーザー数に対するPCカメラの普及率は約14%。この比率を高めることが市場拡大への重要なポイントとなる。すでに、高品質なビデオチャットを楽しめるサービスやPCカメラを活用した各種アプリケーションの開発、さらに人の顔を追跡する機能のような開発競争が激化。各社とも“自社のPCカメラだけにしかない機能”の追求に拍車がかかっている。高品質、多機能化に向けた開発競争が激化する一方で、廉価製品に対する需要も根強いのがPCカメラ市場の特徴である。2極化のバランスをうまくとりながら、需要を喚起する戦略をどう選択するかがシェア争いの行方を大きく左右する。
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