全国ショップ激戦図
<全国ショップ激戦図>40.福島・福島市(下)
2004/08/23 18:45
週刊BCN 2004年08月23日vol.1052掲載
パソコン初心者の獲得に必死
店内の入り口近くには、パソコン本体を展示、パーツ専門店というイメージを払拭し、“パーツが充実しているパソコン専門店”として知名度の向上を狙う。展示しているパソコンは、高画質を重視したグラフィックスボードを搭載し、5.1チャンネル対応スピーカーを付属したパソコン工房のオリジナルモデルで、価格は8万9980円から。マルチメディア機能と低価格で来店者の目に留まるようにした。展示では、スペックを表示したPOPを必ず貼付している。それに加えて、「パソコン初心者の場合、スペックを見ただけではパソコンの良さが分からないことが多い。スペックを分かりやすく説明しながら、このパソコンで何ができるかを提案する接客を徹底している」という。スペックの表示は、パソコンマニアが値頃感のあるパソコンかどうかを見極めて購入するきっかけにもつながっているようだ。
村上氏は、「全国的にみても、福島県はパソコンユーザーが少なく、パソコンマニアも少ないのではないか」と、福島県のパソコンユーザーについて語る。大阪・日本橋電気街を本拠地に、東京・秋葉原電気街や名古屋・大須電気街などパソコンマニアが集まってくる地域を得意とするパソコン工房にとって、「福島市は売上高を伸ばしていくのが難しい地区の1つだ」と認める。実際、2003年度(04年3月期)の売上高は「前年並み」にとどまっている。しかし、パソコンユーザーが少ない点を逆にメリットと考え、市場の掘り起こしを図ることにより、「今年度は、確実に前年度を上回る売上高を狙う」と闘志を燃やす。
地元の家電量販店やパソコン専門店が存在せず、本拠地で圧倒的な知名度を誇る大手家電量販店が参入し、マーケットの主導権を握る争いが激化している福島市。パソコン専門店は、このシェア争いに巻き込まれないよう専門性を強め、売上高を伸ばしていく体制を整えている。(佐相彰彦)
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