店頭流通

ヨドバシカメラ・マルチメディア梅田 PCパーツの品揃えを1.5倍に 組立PC初心者層の獲得へ

2004/07/19 16:51

週刊BCN 2004年07月19日vol.1048掲載

 ヨドバシカメラ(藤沢昭和代表取締役)がJR大阪駅前に店舗を構える「マルチメディア梅田」(大阪市北区)の組立パソコン用パーツの販売強化に乗り出した。6月中旬にパーツコーナーの売り場面積を2倍に増床し、アイテム数も1.5倍に増やした。今年度(2005年3月期)は、パーツの売上高を前年度の2倍以上に引き上げる方針だ。

 「マルチメディア梅田」がパソコンパーツの販売を強化したのは、自作パソコン需要の裾野が広がっているため。同店は、1日平均で平日が15万人前後、土日が20万人以上が来店しており、ほとんどがパソコン初級者や中級者で占める。竹下雅浩店長(=写真)は、「ユーザーから、『パーツ類の品揃えを増やして欲しい』という要望があったため、そのニーズに対応した」と、高まりつつある自作パソコン需要を確実に獲得する考えだ。

 パーツコーナーは、夏のボーナス商戦本番に向けて実施したリニューアルにともない増床を図った。売り場面積をリニューアル前の2倍に拡大し、アイテム数はPCケースや組立キットを中心に1.5倍まで増やした。パーツを拡販するうえでポイントになるのが店員の接客だ。マルチメディア梅田では、「新製品の情報を含めた勉強会をメーカーの協力で実施している」ことに加え、店員のパーツ知識をレベルごとに分け、「各従業員に合ったカリキュラムも用意している」という。

 大阪では、同店がJR大阪駅前に出店して以来、パソコンや家電機器などの購入者が梅田地区に流れたといわれている。一方、日本の3大電気街の1つである日本橋地区の集客は減少傾向にある。同地区では、パソコン本体や家電機器などの新品に比べ利益率が高く、しかも独自性を出せるパーツや中古パソコンの販売を強化したショップが増えている。大手のヨドバシカメラと一線を画し、パーツや中古パソコンの販売を強化するなか、マルチメディア梅田のパーツ販売強化は脅威になる。マルチメディア梅田は、リニューアルでパーツを強化することで競合のパーツ専門店に価格や品揃えで優位に立つ体制を整えた。これにより、さらに梅田地区にパソコンユーザーが集まる可能性が出てくる。竹下店長は金額は明らかにしないものの、「今年度は、パーツの売り上げで前年度の2倍以上を目指す」と自信を見せている。
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