店頭市場ピックアップ

インクジェットプリンタの販売動向

2004/07/19 16:51

週刊BCN 2004年07月19日vol.1048掲載

複合機が単機能モデルを抜く

エプソンの複合型、勢い止まらず

 一番売れているのは複合機──。インクジェットプリンタ市場で、需要が縮小傾向にある単機能プリンタを尻目に、販売台数を伸ばしているのが複合機(印刷機能にコピーやスキャナなどを付加した機種)だ。6月に入り、複合機部門のトップシェア製品であるセイコーエプソンの「カラリオPM-A850」の販売台数が、単機能プリンタ部門のトップシェア製品、キヤノンの「ピクサス560i」を上回った。市場全体では、単機能プリンタの方がまだ絶対的ボリュームは大きいものの、トップシェア製品の比較で複合機の販売台数が単機能モデルを上回ったのは、今年に入って初めてのこと。

 図は、BCNランキングの最近2か月の週次データをもとに、単機能モデル、複合機両部門のトップシェア製品の販売台数推移を表した。6月7-13日の週に、複合機が単機能モデルを上回り、その後はさらに差を広げている。「PM-A850」は、2003年9月の発売以来一貫して複合機部門のトップシェアを堅持するヒット商品。製品別シェアで約40%を獲得している(6月28日-7月4日の週次データ)。3万円強の店頭価格ながら、6色インクの搭載、印刷スピードの向上など、単機能プリンタと同等の印刷性能を実現し、デジタルカメラからのダイレクト印刷機能なども付加したことがヒットの要因といえる。

 ベンダー別シェアでも、単機能モデルでは、エプソンとキヤノンによる数ポイントレベルでの熾烈なトップシェア争いが続いているが、複合機モデルでは、エプソンは台数シェア約43%を獲得。2位の日本ヒューレット・パッカード(日本HP)に約20ポイントの差をつけ、大きく水をあけている。複合機市場は、今後も成長が見込まれる有望市場。他メーカーもエプソンの独走を黙って見ているとは思えず、市場がますます活性化することは間違いなさそう。市場全体で見ても、複合機のシェアが単機能を上回る日も近いだろう。
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