店頭流通

アップル iPodの取扱店が1400店舗に拡大 総合スーパーも獲得

2004/07/05 18:45

週刊BCN 2004年07月05日vol.1046掲載

アップルコンピュータがHDD(ハードディスクドライブ)を搭載した携帯オーディオプレイヤー「iPod」で新規顧客の開拓に乗り出している。GMS(総合スーパー)や音楽CD関連の販売店やレンタルショップなどを販路に獲得。取り扱い店舗数は、今年6月の時点で1400店舗程度に達した。7月以降に発売予定の「iPodミニ」は、パソコン初心者をターゲットに拡販を打ち出しており、パソコン専門店や家電量販店以外の新規チャネルが重要な役割を占める可能性が高い。

 携帯オーディオプレイヤーのiPodは、パソコン専門店や家電量販店での販売に加え、6月中旬からGMSのジャスコをはじめ、音楽CDの販売店であるHMVやレンタルショップのツタヤなどでの販売も開始している。

 取り扱い店数は、今年6月時点で約1400店舗。パソコンを含めアップル製品全般を取り扱う「iMacデモ展示店」が約600店舗であることから、iPodの取り扱い店数だけが大幅に増えていることになる。アップルにとっては、「新規顧客を開拓していくうえでの戦略的な製品」(髙木日出夫・コンシューマセールス本部長)に位置付けているのがiPodだ。

 このため、7月以降に発売する予定のiPod新製品「iPodミニ」でも、iMacデモ展示店以外での販路拡大に力を注ぐ。「(iPodミニの取扱店数は)iMacデモ展示店よりも多くなることは確か」(髙木本部長)としており、取り扱い店数は明らかにしていないものの、販売開始当初で1000店程度になるとみられる。

 iPodミニは、4GBのHDDを搭載し、重量が102グラムと現行機種より46グラムの軽量化・小型化を図っている。従来のiPodでホイール部と分離されていた再生、停止の操作ボタンをホイール部に取り込んだ「クリックホイール」機能を搭載し簡単操作を追求した。また、シルバー、ゴールド、ピンク、ブルー、グリーンの5色を揃えていることが特徴だ。

 ターゲットは、「アップル製品のユーザーに加え、パソコン初心者も対象。幅広いユーザー層を獲得していく」方針で、家族連れの来店が多いGMSで拡販する体制を整えた。また、「10歳代後半から20歳代前半のユーザーを増やしていきたい。若年層の来店が多い音楽CDショップで販売すれば、需要を開拓できる」(同)と判断した。

 iPodの販路拡大は、「アップルブランドを幅広く浸透させる」ことを狙いとしており、iPodを切り口にパソコン本体をはじめ、他のアップル製品の拡販も視野に入れている。
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