店頭市場ピックアップ

パソコン周辺機器の販売動向

2004/06/28 16:51

週刊BCN 2004年06月28日vol.1045掲載

キヤノン、4製品で首位を維持

デジタルフォト市場で25%狙う

 キヤノンがデジタルカメラ、インクジェットプリンタ、ページプリンタ、スキャナの4製品でトップシェアを維持している。同社は、デジタルカメラやインクジェットプリンタなどで構成される「デジタルフォト市場」が急速に拡大することを見据えた戦略で、製品の拡販を図っている。2004年5月のメーカー別販売台数シェアでは、デジタルカメラで21.2%、インクジェットプリンタで56.9%、ページプリンタで42.1%、スキャナで56.2%を獲得。ページプリンタとスキャナについてはすでに確固たる地位を築いていたが、インクジェットプリンタとデジタルカメラは今年に入ってからトップに君臨することになった。

 インクジェットプリンタでは、03年冬商戦で量販店に同社のプリンタとデジカメを使ったデモコーナーを設置するなど、家庭内での写真出力を前面に押し出した用途提案を徹底。この販売戦略が功を奏し、今年1月にそれまで首位をキープしていたセイコーエプソンを追い抜いた。参入メーカーが多く競争が激しいデジカメ市場でも、今年3月にトップシェアを獲得。2か月連続で20%以上のシェアを維持している。

 キヤノン販売の芦澤光二・コンスーママーケティングカンパニー常務取締役プレジデントは、「家電製品の市場規模が8兆円といわれているなかで、インクジェットプリンタやデジタルカメラなど画像関連製品のデジタルフォト市場が年を追うごとに拡大している。04年には1兆500億円、05年に1兆2000億円規模になるだろう」とし、家電市場の7分の1程度を占める規模にまで成長すると予測する。同社では、「7階建ての販売店には、1フロアをデジタルフォトフロアとして作るように提案している。しかも、『1フロアの4分の1をキヤノンに下さい』と頼んでいる。デジタルフォト市場では、それだけのシェアを占有できる」(芦澤常務)と自信をみせており、同市場で25%のシェア獲得を狙う。
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