全国ショップ激戦図

<全国ショップ激戦図>32.広島市中区(上)

2004/06/21 18:45

週刊BCN 2004年06月21日vol.1044掲載

 広島県の家電やパソコンなどのマーケットシェアは大きく様変わりするか──。ヤマダ電機の「テックランド広島中央本店」が6月11日にオープンした。日本有数のショップ激戦区である紙屋町地区から700メートル程度しか離れていない新天地での出店となる。郊外型で売上高を伸ばしてきたヤマダ電機が、初の都市型出店で広島県のマーケットシェア拡大を加速する。

ヤマダ、都市型店でシェア拡大

 現在、広島市でのマーケットシェアは広島県を本拠地とするデオデオが約50%を占めている。一宮浩二・ヤマダ電機取締役副社長兼COOは、「郊外型店舗を出店していた当社にとって、都市型店舗は初の試み。都市圏では後発なので、デオデオさんをはじめ、ほかのショップの胸を借りるつもりで努力する」と語る。しかし、「初年度売上高は最低でも100億円」と、同社の235店舗のなかでもトップクラスの売上規模を目指す。

 しかも、「テックランド広島中央本店」と同時に、安芸群坂町で「テックランド安芸坂店」をオープン。2店舗同時出店で、広島県では6店舗体制になった。「当社では、今後3年間で出店している各地域でマーケットシェアの25-30%の獲得を掲げている。広島県でも同じ」(一宮取締役副社長兼COO)と自信をみせる。

 テックランド広島中央本店は、売り場が地下1階部分から6階までの構成で、総面積が約7500平方メートルとヤマダ電機にとって最大級の規模だ。しかも、初めて取り組んだ店舗作りやサービスにも取り組んでいる。フロアでは、地下1階部分で化粧品をはじめ、海外ブランドのバックや小物などを販売。ビジネスマンや家族連れだけが来店する家電量販店の色を払拭し、高校生や大学生などの若年層や女性などもターゲットとする。

 ポイントサービスに関しては、携帯電話と連動したポイント「ケイタイポイント会員サービス」を広島中央本店で取り入れた。同サービスを利用することで、会員は携帯電話でポイントの加算や利用が可能となり、ブラウザを通じてポイント残高の確認やお得な情報の収集なども行える。「ポイントの利便性を追求し、現金値引きとの併用で地域1番の安さを提供する」(一宮取締役副社長兼COO)と強調する。

 オープン当日は、雨にもかかわらず3500人以上の来店者が行列を作り、幸先の良いスタートを切った。ヤマダ電機の都市型出店は、紙屋町周辺に店を構える多くのパソコン専門店や家電量販店がかなりの衝撃を受けている。(佐相彰彦)
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