全国ショップ激戦図
<全国ショップ激戦図>29.神奈川・横浜駅(上)
2004/05/31 18:45
週刊BCN 2004年05月31日vol.1041掲載
ドスパラ、2店舗を展開
東京・秋葉原電気街を本拠地として、パソコンパーツ専門店「ドスパラ」を運営するサードウェーブも、横浜駅周辺で新しい取り組みに挑戦している。駅から徒歩5分程度の場所にある「ドスパラ横浜店」は、同社のコアユーザーであるパソコンマニアをターゲットにする一方で、駅前のショッピングモール「西口5番街」内に「横浜店別館」を4月9日にオープン。「パソコン初級者層の獲得」(上田一美・ドスパラ横浜店別館サブマネージャー)に乗り出した。別館では、ショップブランドのオリジナルパソコンをはじめ、USB接続の外付け記録型DVDドライブやマウス、アクセサリー、メモリカードなど周辺機器を多く取り揃える。従来から力を入れているマザーボードやベアボーンキット、ケースなどのパーツは展示量を抑えている。「パソコンの知識がなくても購入しやすい商品を充実させた」ことで、初級者の来店を狙っている。サードウェーブが初心者呼び込みに力を入れるのも、真正面にヨドバシカメラが「マルチメディア横浜」を構えており、パーツ専門店と比べてパソコン初級者の来店率が高いというカメラ量販店の近くに出店したメリットを生かすためだ。実際、オープンしてから、「ヨドバシさんに来店したお客さんが、うちにも足を運ぶケースが多い」という。
1日平均の来店者数は、平日が150人前後で、土日が200人を超える。平日は、パソコン中級者以上のビジネスマンが中心だが、土日はファミリーや20歳代のカップルが多い。「来店者のほとんどがパソコン初級者」で占めている。
ヨドバシカメラのマルチメディア横浜は、ドスパラ横浜店別館より売り場面積、商品数ともに圧倒的に勝る。「商品数では勝てないものの、自社ブランドのパソコンで価格優位性を出したり、ヨドバシさんが扱っていない周辺機器の商品を増やす」ことで差別化を図っている。
今後は、「新規顧客を獲得するための品揃えに力を入れる」方針だ。横浜店別館でパソコン本体と周辺機器の販売、横浜店でパソコンパーツと取扱商品を切り分けることで、両店の連携を強化し、ユーザー層の拡大を図る。初級者層のユーザーを別館でカバーし、横浜店では、ドスパラの既存ユーザーを確保することがメインテーマとなるわけだ。(佐相彰彦)
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