全国ショップ激戦図

<全国ショップ激戦図>27.神奈川・川崎(中)

2004/05/17 18:45

週刊BCN 2004年05月17日vol.1039掲載

 神奈川県川崎駅前の大型商業複合施設「川崎ルフロン」に店舗を構え、売り場面積が約1万4500平方メートルを誇るヨドバシカメラの「マルチメディア川崎ルフロン」は、商品数60万アイテム以上を揃える。ヨドバシカメラでは売り場面積、品揃えともに関東地区最大級の店舗だ。「東京地区や横浜地区などに比べ、川崎地区は買い物を楽しむユーザーが少ない。常に新しい商品を取り扱ったり、フロア作りでは各階で専門性をもたせるなどの工夫をしている」(足達信一店長)と話す。

新しい取り組みを徹底

 川崎ルフロンは、若い世代が来店するケースが高く、買い物ついでに立ち寄るという相乗効果がある。そのため、店舗の“顔”となる1階に携帯電話コーナーを設けた。来店者自身に商品を触ってもらうために実機を多く展示したほか、女性の来店を増やすことを狙いとして化粧品コーナーを設けて新規顧客層の開拓を図っている。

 地下1階は、白物家電とAV(音響・映像)機器コーナーだ。薄型テレビやDVDレコーダーなどデジタル家電が人気を集めているなか、AV機器コーナーと白物家電コーナーのフロアを分ける店舗が多い。しかし、「お客さんにとって分かりやすい展示にすることが重要」と判断し、あえて白物家電とAV機器を同居させている。これは、テレビや冷蔵庫、洗濯機などの購入者が自分で持ち帰らずに配送を指定するケースが多いため、同じフロアに「配送専用カウンター」を設けて、レジの待ち時間を短縮することにもつなげた。

 家族連れの来店を増やすため、4階には初めてゴルフ用品の販売に着手。ゴルフクラブの試打コーナーを設け、子供向けにはゲーム関連や玩具の展示に力を入れている。

 05年秋にオープンを予定している東京・秋葉原電気街の新店舗のトライアルとしても生かす取り組みも実施している。3階部分のパソコンおよび関連機器コーナーでは、組立パソコン用パーツの品揃えを充実させた。パーツメーカーと協力して、通信販売でしか扱っていないパーツ類が現物を置くことで実際に売れるかどうかをテスト的に展示しているケースもある。「売れ行きが良ければ、安定供給できるメーカーから大量に仕入れる」ことも検討に入れるなど、パソコンマニア獲得も狙う。

 オープンから約2か月が経過した現段階では、1日平均の来店者数が平日で1万7000人弱、土日で4万人以上で推移している。足達店長は、「新規ポイントカード加入者を1年間で300万人を獲得する」と意気込んでおり、「売上高は、オープン後1年間で450億円を目指す」と自信タップリに話している。(佐相彰彦)
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