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業務ソフトの販売動向
2004/05/17 16:51
週刊BCN 2004年05月17日vol.1039掲載
JDLの大幅伸長が際立つ
初心者向けも人気
4月1日から施行された改正消費税が追い風となり、需要増が期待された業務ソフトウェア。だが、多くの業務ソフト会社の期待に反して伸び悩んでいる。3月1日-5月9日の10週間では、新興勢力の日本デジタル研究所(JDL)やBSLシステム研究所、マグレックスなどはシェアと販売本数を伸ばしたが、業界トップの弥生が販売本数を週によっては前年同期比で19%も減らしたほか、ソリマチの落ち込みも激しい。この10週間は、業務ソフト全体の販売本数が前年同期比で3-19%も減少している。JDLは、シェアこそ5.7-9.5%と業界4、5位の中位にとどまるものの、販売本数が3月8-14日と3月15-21日の両週で前年同期比の12倍を超えるなど、大きく伸ばしている。JDLは4月1日、既存の会計ソフトの機能限定版で無料の「出納帳3カジュアル」を出し、業界に波紋を巻き起こしたが、4月以降も安定的に販売本数が増加。業界内の“非難”の影響はなさそうだ。一方のソリマチは、業界でいち早く改正消費税対策を打ち出し、パソコン量販店向けのPOPや説明資料を配り、キャンペーン版もリリースした。だが、直近の5月3-9日の週で前年同期比46%減と勢いを失っている。
業務ソフトで販売本数を伸ばしているのは、低価格で初心者向けの会計ソフトを出す企業だ。「プロフェッショナル版は当分出さない」と、初心者向けに特化するBSLシステム研究所は、3月中は苦戦したが、安定的にシェア2位をキープ。経済紙の広告で機能のシンプルさをアピールし続けたアイピーオーも「爆笑!経理」が伸び、5月3-9日の週でミロク・ユニソフトを抜きシェア6位に踊り出た。業界トップの弥生は、4月19-25日の週で販売本数が前年同期比12%減となるなど前年割れが続く。だが、「当初から改正消費税の需要はまだ先と読んでいた」と、今後の需要期に新たな戦略を打つ予定だ。「改正消費税でも需要が伸びなかった」と見るには早計かもしれない。
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