全国ショップ激戦図
<全国ショップ激戦図>26.神奈川・川崎(上)
2004/05/03 18:45
週刊BCN 2004年05月03日vol.1038掲載
川崎駅前の集客率を高める
川崎市では、街の集客を上げる策の1つとして、都市再開発事業「川崎駅北口地区第3西街区第一種市街地再開発事業」を実施。同事業により、地下3階・地上11階建ての大型商業施設「DICE(ダイス)」が昨年9月12日にオープンした。ダイスは、飲食店をはじめ、映画館や書店、音楽CDショップなどがテナント出店している。地上1階と2階部分には、さくらやが約5900平方メートルの売り場面積を誇る、同社にとって最大級のショップ「川崎駅前店」を出店した。一方、市の都市再開発事業ではないものの、やはり川崎駅近くの複合型商業施設「川崎ルフロン」内の西武百貨店跡地に今年3月3日にオープンしたのがヨドバシカメラ。同社にとって全国で18店舗目になる「マルチメディア川崎ルフロン」は、地下1階から地上4階で構成され、総売り場面積は約1万4500平方メートル。大阪・梅田の「マルチメディア梅田」、福岡・博多の「マルチメディア博多」に次ぐ3番目の大型店舗だ。
オープン前に開催した報道関係者向けの内覧会では、同社の藤沢昭和社長が「川崎市長から、『東京と横浜の間に位置する川崎は、通過点として扱われがち。ぜひ客を呼び戻して欲しい』という要望があったため、出店に踏み切った」と強調した。川崎市もヨドバシカメラの集客力に多大な期待を寄せているわけだ。
市が実施した都市再開発事業や、来店者を増やすための川崎ルフロンによる取り組みにより、川崎駅前周辺でカメラ量販店がシェア拡大に向けた激しい主導権争いを繰り広げることになった。さくらやとヨドバシカメラ双方とも、限られたパイを奪い合うだけでは売上高が伸びないと判断しており、それぞれ川崎駅周辺地域自体の集客を上げるための店舗作りを意識している。(佐相彰彦)
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