全国ショップ激戦図

<全国ショップ激戦図>25.愛知・名古屋(下)

2004/04/26 18:45

週刊BCN 2004年04月26日vol.1037掲載

 名古屋・大須地区のパソコン専門店協会「大須情報通信家電製品販売店協会(通称=大須AIC)」が「大須PC販売店協会(通称=大須PC店会)」に名称変更した。これまではデジタル機器全般に渡って販売を展開してきたが、今後はパソコン関連の“超専門店”として競合地区に負けない基盤を固めていく。

パソコンの“超専門店”を目指す

 「大須AIC」は、かつて「大須PC店会」という名称を使っていたことがある。このため、再びパソコンを前面に出した名称に戻ったことになる。新しく会長に就任した衛藤正博氏(オーエー・システム・プラザ常務取締役大須地区統括兼大須店長)は、「ほかの地区に競合店舗が出店しているなかで“大須らしさ”を考えた場合、パソコンに特化した店舗を作らなければならない」と、PCを名称に戻した理由を挙げる。前会長の月城朗氏(グッドウィル社長)も、「大須の個性を出していく点で、原点に戻ることが重要」と、名称変更は大須地区の活性化を図っていくことだとしている。

 グッドウィルが大須地区に旗艦店として構える「エンターテインメント・デジタルモール(EDM)」では、ユーザーが自作パソコンを組み立てることが可能な「DIYコーナー」を設けており、パソコンマニアが来店する一方、「最近では、初級者や中級者がDIYコーナー目当てに来店することも多くなった。そのため、簡単に分かりやすく説明しなければならない」(佐橋勝徳副店長)と工夫も必要。「ユーザーのスキルを上げていく」ことを徹底したことで、初級者や中級者の来店率が全体の50-60%と半数以上を占めるまでになった。

 また、法人ユーザーを獲得するため、提案から商談までを行う窓口「法人コーナー」を近く設置する予定。「個人事業主を中心に地域密着型の販売を行う」方針だ。

 名古屋駅周辺では、「ビックカメラ名古屋駅西店」と「ソフマップギガストア名古屋駅ナカ店」の2店が薄型テレビを中心にデジタル家電を前面に押し出している。

 ビックカメラにとっては、「ITとデジタル家電の融合」を視野にビックカメラとビックピーカンが合併後、初めて出店したのが名古屋駅西店だ。ソフマップは、名古屋地区への本格進出ということから、シェアを高めるために、“デジタル専門店”をアピールした店舗作りに力を入れている。

 2社の取り組みへの対抗策として、大須地区は生き残りのために「パソコンを深掘りする」という結論に達した。パソコン関連の“超専門店”をキャッチフレーズに、競合地区が真似できない販売を展開できるかに注目が集まっている。(佐相彰彦)
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