全国ショップ激戦図

<全国ショップ激戦図>24.愛知・名古屋(中)

2004/04/19 18:45

週刊BCN 2004年04月19日vol.1036掲載

 名古屋・大須電気街にパソコンや家電など情報機器を購入する来店者数が減少している現状を、電気街のパソコン専門店および家電量販店はただ黙って見過ごしているわけではない。

電気街が各店舗のレベル高める

 パソコン専門店のOAシステムプラザでは、電気街にある大須店の強化に乗り出した。大喜章徳社長は、「電気街の店舗は、ほかの地区で店舗を展開するうえで、ポイントになる旗艦店となる」ことを挙げており、「競合店と同じ商品を展示しているだけでは到底勝てない。“パソコン専門店”として、より専門性を高めていかなければならない」と、電気街での専門性アップが同社全体のレベルを高めることにつながり、郊外で構える店舗に好影響を与えると踏んでいる。

 大須店で強化したのは、アップル製のハード機器やマック対応のソフト、組立パソコン用パーツ。今年2月から大須店長に就任した衛藤正博・常務取締役大須地区統括は、「ウィンドウズパソコンの品揃えについては、大型量販店のほうが豊富。そこで、ウィンドウズ以外の商品で差別化を図る」ことが得策と判断。両コーナーともフロア面積を増床した。アップルに関しては、1フロアの半分程度だったコーナー面積を1フロアまで広げている。これにより、全体の半分以上を占めていたウィンドウズ関連機器の売上構成比が減少する一方で、アップル関連機器が30-35%、組立パソコン用パーツが20-25%を占めるようになった。「パーツ類の販売は、リニューアル後の1か月間が前年同月の2倍以上を達成した。アップルやパーツのユーザーは、接客に知識を必要とするため、競合店に負けない」(衛藤常務)と自信をみせる。

 ウィンドウズパソコンが競合店舗との差別化が図れないからといって、現段階でも売上構成比が全体の40%以上を占めるウィンドウズ関連機器は、「完全に切り離せない」(同)のも事実。ウィンドウズユーザーが多いのは厳然とした事実だ。衛藤常務は、「ウィンドウズユーザーの来店者を確実に顧客にしていくため、知識をかみくだいて、誰にでも分かりやすい接客ができるように、従業員の教育を徹底している」という。

 昨年11月のビックカメラの名古屋進出について、衛藤常務は、「パソコンマニアや“アップルファン”の来店が減少することはなかった」と強調する。ところが、ソフマップの名古屋駅構内出店は、「パソコン専門店という同じ土俵にあり、脅威になることは確か」と認めている。急きょ、対抗策を検討している段階でもある。(佐相彰彦)
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