全国ショップ激戦図
<全国ショップ激戦図>21.福岡県福岡市(中)
2004/03/29 18:45
週刊BCN 2004年03月29日vol.1033掲載
複合的なコーナー作りへ
今年度は、「確実にプラスにする」ため、「別のフロアでそれぞれ展示していた商品を組み合わせた複合的なコーナーを増やす」計画だ。佐々木副店長は、「映像とコンピュータは融合の方向にある」とみており、「これまでは各コーナーで専門的な従業員を配置していたが、AV(音響・映像)機器コーナーとパソコンコーナーに関しては、両コーナーを担当する」ことに取り組む。まずはパソコンおよび関連機器フロアで、パソコンとテレビを組み合わせた展示を開始した。ブロードバンド体験コーナーでは、パソコンと薄型テレビを接続。「ADSLでストリーミング映像を鮮明に流せる点をアピール。さらにその映像を大画面テレビでも視聴できることを提案している」
薄型テレビは、1か月平均の販売台数が前年同月比2.5倍以上で伸びている。成長している商材との組み合わせで、「高齢の来店者がこれをきっかけにパソコンを購入した」ケースもあったという。
同店は、1日平均の来店者数が平日で約5500人、土日は1万人以上になる。「20%以上が65歳以上」と、競合店に比べて高齢者の占める割合が高い。複合的なコーナーを設けるというのも、「高齢者が安心して来店できる店舗作り」が目的。さらにサポートビジネスの拡大も狙う。
パソコン購入者に対してのサポートについては、店内で開催しているパソコン教室を無料で受講できる10日間分の受講券を配布している。サポートカウンターでは、同店で購入したパソコンについて修理代を30%割引くサービスも行っている。
同店が苦戦を強いられているのは、同じ天神地区のビックカメラ天神とビックパソコン館天神、博多駅前のヨドバシカメラマルチメディア博多の出店の影響が大きいため。「競合店舗が獲得していない高齢者をリピート客として確実に確保する」というのも、顧客層の拡大で売り上げアップを狙うためだ。しかも、激しい競争が繰り広げられているポイント還元率による低価格化については、ポイント値引額と同等の買い物券を用意することで対抗しており、ビジネスマンや若年層の来店にもつなげている。(佐相彰彦)
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