全国ショップ激戦図
<全国ショップ激戦図>20.福岡県福岡市(上)
2004/03/22 18:45
週刊BCN 2004年03月22日vol.1032掲載
日本屈指の激戦区、差別化策に注力
JR線の在来線や新幹線、市営地下鉄が停車する博多駅周辺には、カメラ量販店のヨドバシカメラがそびえ立つ。加えて、アロシステムが運営するパソコン工房やツートップ、サードウェーブのDOS/Vパライダイスなど、パーツショップが密集する。一方、市営地下鉄空港線の天神駅周辺には、九州を本拠地とするベスト電器が旗艦店の福岡本店、西鉄福岡(天神)駅周辺では、ビックカメラがビックカメラ天神とビックパソコン館天神を出店。博多駅から福岡空港にかけては、ヤマダ電機のテックランド博多本店や福岡に本拠地を置くパーツ専門店のアプライドなど、西区にはデオデオの福岡西店やコジマのNEW福岡西店、ピーシーデポコーポレーションの福岡西店などが立ち並ぶ。
福岡市への出店がヒートアップしたのは、ここ1-2年のことだ。ヨドバシカメラは、博多駅前のマルメディア博多を2002年11月1日に出店した。西区では、デオデオ福岡西店のオープンが02年10月25日。ピーシーデポコーポレーションは、ディスカウントストアのミスターマックスが今年3月5日に野方店をコミュニティ型ショッピングセンター「ミスターマックス橋本ショッピングセンター」としてリニューアルオープンさせたのにともない、同ショッピングセンター内に福岡西店を出店した。
多くのショップが進出したことで、福岡市は日本で屈指の激戦区になった。各ショップが売上高を伸ばすには、ほかの地区以上に競合店舗との差別化策を明確にしていかなければならない。
広島を中心に中国地区で圧倒的な地位を築いているデオデオは、「他店と同じ販売ではお客さんは増えない」(デオデオ福岡西店の渡辺孝浩店長)と話す。
博多駅前という好立地条件で、現在ではビジネスマンを中心に顧客を確保しているヨドバシカメラでも、札幌をはじめ仙台や大阪などの新規開店時に店長を務めてきた阿美祥之店長がオープン当初、「大阪の梅田店については初の関西進出であったものの、梅田地区の再開発で知名度は高かった。しかし、九州は時間がかかる可能性が高い」と漏らしていた。
福岡県を中心に九州地区で圧倒的な知名度を誇るベスト電器でさえも、「数多くの店舗が出店したことで苦戦を強いられているのは確か」(有薗憲一社長)と認めており、九州地区の基盤を固める戦略を打ち出している。(佐相彰彦)
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