全国ショップ激戦図

<全国ショップ激戦図>17.千葉・総武線沿線(上)

2004/03/01 18:45

週刊BCN 2004年03月01日vol.1029掲載

 千葉県のJR総武線沿線の家電量販店やカメラ量販店が順調な販売をみせている。市川駅から千葉駅までの間には、ラオックス、さくらや、ヨドバシカメラなど大手量販店が出店。各社とも、新しい取り組みを行う店舗として位置づけており、顧客層を広げている。

ラオックス、パソコン売上構成比3割に

 ラオックスは、飲食店やショッピングモール、スポーツ施設、映画館などが集まる下総中山駅周辺の複合施設「ニッケコルトンプラザ」(千葉県市川市)内の「ダイエーいちかわコルトンプラザ店」4階部分に直営店を出店している。ニッケコルトンプラザは、2500台を収容できる大型駐車場があり、駐輪場も充実。平日は主婦層、土日は家族連れを中心に多くの顧客が訪れる。

 植木基陽店長は、「1日平均のレジ通過数は、平日で約350件、土日で1500件」と語り、平日、週末ともコンスタントに顧客を確保している。

 同店では、液晶テレビやPDP(プラズマディスプレイパネル)、DVDレコーダーなどデジタル家電機器が売れ筋商材だ。一方、パソコンおよび関連機器の販売不振には頭を痛める。しかし、植木店長は逆に「パソコンなど情報関連機器の売上比率を、今年度(2004年3月期)末の3月までに、現状の20%前後から30%に引き上げ、来年度はその比率を維持する」と話す。「テナント店は、独立店に比べるとパソコンの粗利率が高い」のも、パソコン拡販の理由の1つだ。

 パソコンコーナーは、今年に入ってからリニューアルしたばかり。昨年までは、情報関連機器の中で、比較的売れ筋のセキュリティソフトや、冬商戦で販売がピークになるインクジェットプリンタなどを前面に打ち出し、パソコン本体と離れた場所に設置していた。これを一新し、パソコン本体を中心に周辺機器やビジネスソフトを展示するようにした。「1つのコーナーで情報関連機器で実現できる用途提案を行う」のがレイアウト変更の理由。展示品のパソコンを現品限りの特価品として低価格で販売するといった取り組みも行っている。店員の教育も、パソコン担当員がAV(音響・映像)機器、AV機器担当者がパソコンを担当できるように教育を徹底している。

 同店の売り場面積は約1332平方メートルで、ワンフロア。「商材にこだわらず、ワンストップで接客することが重要。最近では、テレビチューナー搭載や、大画面の機種が売れている。テレビは薄型が主流になってきている。パソコンにAV機器、AV機器にはパソコンの要素が入ってきている。薄型テレビだから売れるとか、パソコンだから売れないという考えは捨てるべき」とデジタル家電ブームに垣根はないという。(佐相彰彦)
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