店頭市場ピックアップ

PDAの販売動向

2004/02/23 16:51

週刊BCN 2004年02月23日vol.1028掲載

ソニー「クリエ」が爆発的売れ行き

新機種でシャープを突き放す

 PDA(携帯情報端末)市場で、2月中旬にソニーが発売した「クリエ」の新モデル「PEG-TH55」が爆発的な売れ行きを見せ、台数、金額ともに2位のシャープを大きく突き放し、市場を独占する地位に立った。図はBCNランキングの週次データをもとに、上位2社の台数および金額のシェア推移を表した。

 「PEG-TH55」の発売日を含む週次データを見ると、ソニーのシェアは台数ベースで80.8%、金額で76.3%を獲得し、PDA市場で今年最高の数値をマークした。台数、金額ともに30ポイントほど「PEG-TH55」の発売前週の数値を上回っており、同製品の売れ行きがベンダーシェアに大きく寄与したといえる。

 シャープ製品の中で現在最も製品別シェアの高いモデルが発売された時(2003年5月)の週次データをみても、シャープのベンダーシェアが約10ポイント高まった程度であったことと比較して、「PEG-TH55」の好調さがうかがえる。シャープの売れ筋モデルは、ソニー製品に比べ1-2万円高価格であるため、金額ベースでは僅差の争いを続けていたが、金額でも約60ポイントの差をつけられ、大きく水をあけられた。

 「PEG-TH55」は、「手書き感覚の追求」を謳い文句に、スケジュール表やアドレス帳など、さまざまなアプリケーション上で手書きのメモが記載できるようになっている。「PDAの得意技といえる手書き機能の強化がビジネスマンに評判が良い」(ショップ関係者)。価格も4万円を切っており、値ごろ感も売れ行きを後押しする。PDA市場は、ソニーとシャープの2強争いが続いており、ここ数年はシャープがソニーを追う展開が続いている。スタートダッシュをかけたソニーを、シャープはどのような新製品で立ち向かうのか。
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