店頭流通

シマンテック 店頭販売の強化でSMB市場を開拓 セキュリティ製品の個人向けルート活用

2004/02/09 18:45

週刊BCN 2004年02月09日vol.1026掲載

 シマンテックは、SOHOを含む中小企業ユーザーへの販売強化施策として、パソコンショップなどでの店頭販売を強化する。中小企業向けビジネスは法人向け事業全般を担当するエンタープライズ事業部のテリトリーだったが、その一部をコンシューマ事業部が手がける体制に組織を変更。中小企業市場での収益の柱となっているシステムインテグレータなどの代理店経由の販売に加え、店頭販売をさらに強化していく考えだ。

 シマンテックは、セキュリティ市場を、①一般消費者の「コンシューマ」、②社員数100人以下の「SMB(中堅・中小企業)」、③大企業の「エンタープライズ」─の3つに分類している。このうち、「エンタープライズ」と「SMB」については、これまでエンタープライズ事業部が手がけていた。販売経路は、システムインテグレータなどのパートナー経由と、パソコンショップや量販店の店頭販売の2つのルートだが、主な収益源はパートナー販売だった。

 今後成長が見込まれる中小企業市場での拡販のためには、店頭販売の強化が必要だと判断。昨年末に、まず組織体制の見直しを図った。パートナーを通じた販売は、従来通りエンタープライズ事業部が担当するが、企業向けの店頭販売を手がけるビジネスを、コンシューマ事業を手がけるセクションに移した。一般消費者向けに販売していた店頭でのパッケージ販売のノウハウを中小企業向けビジネスでも活用していく考えだ。

 齋藤秀明・執行役員副社長コンシューマ事業統括(=写真)は、「需要は大きいが、1つの案件の利益が小さいだけに、パートナーのビジネス意欲も中小企業に向きにくく、市場を網羅できない状況にある」と、中小企業市場のビジネスを説明。また、「他のアプローチ方法としては、オンライン販売などよりもユーザーにとって一番親近感のある店頭が最も効果的」と、店頭での販売を強化する理由を話す。

 今後は、人員の拡充で組織体制をさらに強化。2ラインアップを揃える中小企業向けソフトウェアのパッケージデザインを変更するとともに、現在のライセンス数の見直しも行っていく。現在のライセンス数は、5、10、25ユーザーの3タイプしか用意していないが、それ以外のライセンス形態も数種類用意していく方針。さらに、ソフトベースだけでなく、ハードウェア製品の開発・販売も検討を開始する。
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