全国ショップ激戦図

<全国ショップ激戦図>14.東京・新宿(上)

2004/02/09 18:45

週刊BCN 2004年02月09日vol.1026掲載

 東京・西新宿のヨドバシカメラ新宿西口本店は、昨年10月に家電売り場を1フロア増床し、洗濯機や冷蔵庫など大型白物家電の品揃えを充実させた。白物家電の売上比率は同店全体の10%弱で推移する。「主力になる商品を増やすことが顧客層を拡大させるカギ」(松井昭二郎・新宿西口本店統括店長)としており、売上比率が30-35%で推移するパソコンおよび関連機器や、20%前後のAV(音響・映像)機器と並ぶ主力商品にするためリニューアルに踏み切った。

主力の商品カテゴリーを増やす

 この新しい家電コーナーは、もともと商品在庫をストックするための倉庫として活用していたスペースを改装したという。「物流センターから当店に来るトラックが1日20便あるので、売れ筋商品が売り切れても迅速に対応できる」と対策は万全と自信をみせる。「極端かもしれないが、送られてきた商品を1日で売り切るぐらいの心構えで、従業員に売れ筋を見極める目を養わせる」という。

 新宿駅は、JR線をはじめ、京王線や小田急線、営団地下鉄線や都営線などが集まるターミナル駅。1日平均800万人前後が乗降するといわれる日本で最も乗降客の多い駅だ。ヨドバシカメラ新宿西口本店をはじめとするカメラ量販店やパソコン専門店のほか、伊勢丹や高島屋など百貨店も多い。同店では、「電車で買い物に訪れるケースが多く、車での来店が少ない」と分析。持ち帰りできない顧客向けに即日配送や日時指定便など配送も強化した。

 新宿駅周辺は、西口にヨドバシカメラ新宿西口本店をはじめ、ビックカメラ、さくらや、ソフマップなどが店舗を構えており、激しい主導権争いを繰り広げている。新南口前にはベスト電器が新宿高島屋にテナント出店している。

 このなかで、頭1つ抜け出ているのが新宿を本拠地とするヨドバシカメラ。1日平均の来店者数は平日が約8万人、土日は20万人以上。ヨドバシカメラが群を抜いて集客力の強さを見せつけている。

 松井店長は、「顧客に『ヨドバシカメラに行けば何でも揃う』と認めてもらうよう、どの商品でも競合店舗に負けない品揃えが重要」と強調する。

 最近では、デジタルカメラの売上構成比が高まっており、全体の15%前後で推移する。「今年は、一眼レフデジカメの需要が拡大する」とみており、一眼レフの品揃えやメモリ、レンズなどの品揃えもさらに充実させる。

 顧客層は会社員や学生、主婦などさまざま。商圏は、東京都をはじめ、神奈川県や千葉県、埼玉県など関東地域からの来店者が圧倒的に多いものの、長野県や山梨県など関東地域より遠方からも来店している状況だ。(佐相彰彦)
  • 1