店頭市場ピックアップ
フォトレタッチソフト市場
2004/02/08 16:51
週刊BCN 2004年02月09日vol.1026掲載
1980円パワーで伸びる
シェア10%前後をキープ
ソースネクストが1月30日に1980円で発売した本格フォトレタッチソフト「ペイントグラフィック」が健闘している。同ソフトは、ソースネクストが初めて投入した本格的なフォトレタッチ製品で、写真加工やペインティングなど幅広い機能を盛り込んだ。同等製品でここまで値を下げたソフトはなく、販売動向が注目されている。「ペイントグラフィック」は、販売後5日間で平均10%前後のベンダー別販売本数シェアを獲得。フォトレタッチソフトで先行するピーアンドエーとほぼ互角の戦いだ。フォトレタッチソフトの巨人で同期間の平均販売本数シェア約30%を獲るアドビシステムズにはまだ及ばないものの、激しい2位争奪戦はすでに始まっている。
フォトレタッチ市場は、アップグレード版でも実売価格が約2万5000円の「アドビフォトショップ」シリーズがシェアを獲り、これに対抗する製品としてピーアンドエーが「ペイントショッププロ」シリーズのアップグレード版を約7000円で製品化している。本格的なフォトレタッチソフトでありながら7000円という値頃感を打ち出しているのが「ペイントショッププロ」シリーズの強み。
写真加工やペインティングではソフトウェア開発に高度な技術が必要なことから、これまで低価格化は困難とされていた。ところが今回、ソースネクストは1980円という超低価格の製品を投入し、他社製品のシェア切り崩しを狙っている。
ハイエンドユーザーが好む「アドビフォトショップ」のユーザーが低価格製品にすぐに乗り換えるとは考えにくいものの、これまで普及価格帯製品を購入していたユーザーが、同等機能ならばさらに安い価格帯へと乗り換えることは十分に考えられる。今回の「ペイントグラフィック」に対するユーザーの評価次第では、今後シェアが大きく変わる可能性がある。
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