全国ショップ激戦図

<全国ショップ激戦図>13.埼玉・大宮(下)

2004/02/02 18:45

週刊BCN 2004年02月02日vol.1025掲載

 埼玉・JR大宮駅東口に店舗を構えるさくらや東口駅前店は、2003年10月からデジタルカメラの売上比率が10%を占めるようになった。03年夏頃までは、デジカメの売上比率が5%前後だった。勝野勇店長は、「固定客の銀塩カメラユーザーがデジカメにシフトしているため」と、デジカメ販売が上向いてきた理由を話す。

固定客の確保が急務

 同店は、「来店者は、カメラで風景を撮影するなどの趣味をもつ40歳以上の消費者が多い」と顧客層を分析しており、「東京の秋葉原電気街や新宿のように混雑した場所で商品を選ぶのではなく、商品をゆっくりと吟味したいという地元住民の来店が多い」という。 最近は、「固定客から、『パソコンで写真の保存や編集をやりたいという相談が増えた」という。パソコンを最新機種に買い替えるという傾向が出てきたことに加え、デジカメで撮影した画像をプリントするニーズも増えてきており、インクジェットプリンタも売れ筋商品になっている。

 1日平均の来店者数は、平日が約4000人、土日が5000人前後。そのうち3分の1が商品を購入してレジを通過する。平日の午前中は、60歳以上のユーザー、夕方は近くに高島屋が店舗を構えていることから、主婦層も来店する。

 パソコン売り場は初級者を対象にした品揃えとなっており、「組立パソコン用パーツなど上級者向けの商品は置いていない」と、はっきりと顧客層を切り分けている。「買い物帰りにちょっと寄る」という来店者も見込み、電池やプリンタ用インク、印刷用紙など消耗品を充実。価格は、「都内と同等の価格という意味合いで、“新宿価格”と訴える」ことで、ユーザーに対し価格面での安心感をもたせた。

 しかし、JR大宮駅西口にビックカメラが進出したことで、少なからずダメージも受けているようだ。「大宮駅周辺は、百貨店が多く立ち並ぶ西口がメインで、東口は“裏口”というイメージが強い。しかも、売り場面積の大きさや品揃えの多さなどビックカメラの方が圧倒的に勝っている。そのため、ファミリーの来店が減少しているのが事実」としており、「今年度の売り上げは前年度比マイナス」の見通しだ。

 そんななか、「趣味のために情報関連機器を利用する40歳以上のパソコン初心者層を来店させ、いかにリピート率を高められるかがカギ」と強調する。

 今後は、パソコンとデジカメ、薄型テレビとDVDレコーダーなどのセット展示で用途提案につなげる。各フロアで売上高を伸ばすためのリニューアルを実施している段階だ。(佐相彰彦)
  • 1